政府の自粛解除スケジュールに合理的な根拠はあるのか

 6月19日から県をまたぐ移動についても自粛解除されたことで
観光地にも人出が戻ったと伝えられている。それはそれで、苦しん
でいた関係者の方には結構なことだと思うのだが、元々、この期日
がどういう根拠で決められたのかは、詳しい説明があったような
記憶がない。

 東京アラートを適当に解除したように、合理的な根拠があって、
解除するというより、最初にスケジュールありきで、進んでいる
ようにしか見えない。また、海外との入国制限についても、一部の
国から解除することを検討しているようだが、一方で現状の検査と
入国者管理態勢についての不安が、空港をかかえる自治体からも
寄せられている。
 当初、PCR検査に消極的な人達は、検査の精度が7割程度しかない
ので、不十分だということを言っていたが、その後検査精度が向上し
100%近くなったという話も聞かないので、おそらく一定程度は
検査で検出できない感染者が出てくると思われる。
 そうなると、いくら感染が収束したかのように見えても、入国制限
を緩和したり、県間の移動を無制限にすれば、感染が拡大するのは
やむを得ないのは、中国や韓国の例を見ても明らかだと思う。
 

 肝心なのは、感染者数よりも、どの程度の感染者数であれば、
医療態勢が持ちこたえられるかとか、集団感染をどの程度まで回避
できる態勢が出来ているかで、それがわかっていれば、その限度が
来るまでは緩和していいということだと思う。
 単に政府や自治体が発表する内容を伝えるのが、報道機関の役割
ではなく、どのような観点を持って報道するかが必要なので、最近
の報道機関は、安易に専門家を呼んでコメントをもらう程度で
済ましているが、何が重要で何が重要でないかを取捨選択できるよう
でないと、存在意義が無くなってしまうと思う。

 政府が発表しているものに、どこまで合理的な根拠があるのかを
検証していかないと、大本営発表のように都合のよい話しか国民は
知ることができなくなってしまう。
 報道機関としての、独自の視点を持った報道が出てくることが、
ポストコロナの日本を良くすることにつながると思う。