緊急事態宣言に意味があるか

1.緊急事態宣言より具体的な感染対策を

 東京での感染拡大で、再度緊急事態宣言を出した方が
いいという人が多いようだが、果たしてどこまで効果が
あるのだろうか。

 新型コロナウイルスのやっかいなところは、無症状の
人がいて、感染をさせるということだと思う。現状は、
これへの対策が不明確なまま、規制の緩和へ走っている
ので、感染拡大に歯止めがかかるようには見えない。
 PCR検査を増やしているというが、検査で陰性の人間が
その後陽性にならない訳ではないので、それが防止策と
して意味があるのは、他の対策と組み合わせた場合だと
思う。

 私は、現時点での感染対策は、ゾーニングとスクリー
ニングに尽きると思う。ゾーニングは、国、県、企業、
家庭といった、それぞれのエリアに応じて行うべきで
リスクが高い場所は、リスクレベルに応じたゾーニング
を行い、個々の管理者が対策を取るべきだと思う。

 スクリーニングは、PCR検査等もあるし、クラスタ
探す追跡スクリーニングもある。あと考えるべきは、行動
スクリーニングではないか。グローバル、ナショナル、
リージョナル、ローカルといった行動パターンごとに、
検査・隔離やスマホなどのトラッキングを行い、
ゾーニングと併用した管理を行っていけば、経済活動と
感染拡大抑止の両方が可能になるのではないだろうか。

 

2.今後の感染対策

 東京での感染拡大は、ある程度予想されたことだが、
現時点では、今後の対応が明確になっているとは言えない。
夜の街関連で、PCR検査を拡大させるという人もいるが、
既に市中感染が拡大している中で、そこだけやっても意味
があるとは思えない。東京を含めたリージョナルでの感染
対策はどうしたらよいだろうか。

 

 東京は、千葉、埼玉、神奈川を含めたリージョナルと
して行動パターンをとらえる必要があるが、一方でゾーン
としては、県レベルの対策が有効になるとは思えない。
 県間の行動が大きい場合は、リージョナルとして
考えるのとセグメントして、より狭いローカルや事業所
などの単位にゾーニングして対応策を考えていく必要が
出てくる。

 もう一つ考えるべきは、人口規模が大きいということで
人口規模が大きいということは、個別の対策が効きにくい
ということになる。
 もともと強制力を伴う対策がない以上、行動を縛るのが
難しい上に、人口が多い場合は、様々な行動を取る人が
出てくるため、ある程度の対策漏れが出てくることを
覚悟しておく必要がある。


 必要なのは、大きなリスクにならなければ、ある程度は
許容していくというスタンスだと思う。従って、大きな
リスクを潰しておくことが優先して求められる。

 接待を伴う店舗のリスクが大きいかどうかは、意見が
分かれるかと思うが、リスクが大きい場所は、スマホ
などで入店管理をしていく必要があるのではないか。
即ち、スマホに過去2週間分の行動履歴が残るソフトを
入れ、入店時に読み込めば、個人の電話番号を基に記録
が残るようにするといいのではないだろうか。
 感染が発生すれば、それを基に連絡と検査をしていく
ことが可能になる。
 言い換えると、スマホを持たない人や登録をしない人
は入店を認めないようにするべきだと思う。それ位の行動
管理をしなければ、スクリーニングはできないと考える
べきではないか。

 

 大規模なコンサート等のイベントでも、ある程度リスク
が大きくなるので、開催を認めるならば、それ位するのが
当然だと思うのだが、管理をどのようにしていくべきか
という考え方が現状は不足していると思う。

 

 PCR検査は、リスクが高い場所、守るべき場所に対して
徹底的に実施すべきで、そういう意味では空港や病院などの
検査能力は大幅に拡大させるとともに、検査結果を迅速に
入手できるようにしないといけない。

 そういった対策のスケジュールを明確にして提示していく
ことが政府には求められると思う。今時点で、医療態勢に
余裕があるといった寝ぼけたことを言っている状況ではない。