何が一番大事なものか

今週のお題「もしもの備え」

 

 学生の頃までは、もしもの備えなど考えたことはなかったと思う。
旅行へ行く前に、親が心配し、何かあった時に帰れるよう、お金を
分けておくように言われ、財布とは別にカバンにも入れたことは
あった。

 就職すると、保険を勧められて、何となく入ったものの、もしもの
備えという感覚はなかった。おそらく、収入も貯金も乏しく、失う
ものも余りなかったせいだと思う。

 もしもの備えを考え出したのは、結婚してからだと思う。保険の
受取人を妻にして、内容を見直したのは、責任を感じたからかも
しれない。
 また、車を持てば、対人保険は無制限にしなければいけないとも
考えたし、給料天引きで貯金をして、急な出費に備えておこうと
したのは、自分だけでなく、妻の要望もあったと思う。
 
 考えてみると、地震への備えとして、備蓄をしたり、ヘルメットを
買うように言われてすることはしても、もしもの備えをあまり意識して
いないのは昔と同じで、それを意識しているのは妻で、私は従って
いるだけなのだ。


 もしもの備えというのは、難しく言うとリスク管理で、リスク管理
でとるべき対応は、回避、移転、低減、受容とあるが、そもそも
リスクから守るべき大事なものがあるからこそ、そういった対応をする
のだと思う。
 個人にとって何が大事かは、人それぞれなので、当然、対応も一律
にはならない。新型コロナウイルスへの対応も、感染を最大のリスク
と考えるか、営業停止で職を失うことを最大のリスクと考えるかで、
大きく異なってくる。


 従って、私にとって大事なのは、地震から何かを守るといったこと
より、妻からの信頼を失いたくないということなのかもしれない。
それを愛情というかどうかは、人それぞれだと思うが。