私の好きなもの

  サウンド・オブ・ミュージックの中に、my favorite thingsという曲
があるが、私は舞台でなく映画で見たのは子供の頃だった。英語の歌詞
を字幕で見たと思うのだが、それ以上にこの歌曲のメロディと歌詞の
軽妙さに引かれたものだった。

 

 その英語の歌詞のように、皆それぞれお気に入りのものがあると思う。
私の場合は、朝のコーヒーとか銀座木村屋の酒種あんぱんといった
食べ物もあれば、ウオーターマンの万年筆やジェットストリーム
ボールペンといった筆記具、ペダラの靴、ロロピアーナのジャケット
など身の回りの物までいろいろある。

 どれも、同じようなものだと思う人もいるが、自分にとって心地よい
ものは、やはりお気に入りになる。とは言え、それほど金持ちでもない
ので、お金を出せばもっといい物もあるのかもしれないが、この程度で
十分満足している。

 

 ただ、趣味的な世界になると、これはいいと思っていても、さらに
いい新製品が出たり、他人がもっていると羨ましくなってしまい、
もっと好きな物が出てきてしまうのは不思議だ。
 よくミュージシャンの人が、ギターを何十本も持っているのに、
さらに買い続けていたりして、楽曲ごとにお気に入りがあるとなる
のも解る気がする。

 

 私はそこまでマニアックになるほど、金も時間もないのだが、沢山
持っているのは双眼鏡である。
 双眼鏡を持ちたいと思ったのは、星や鳥を見るのにいいと思った
からなのだが、意外とスポーツや芝居を見るのにも役立つため、数が
増えてしまった。
 双眼鏡も高級なものは、数十万円もするが、私は貧乏人なので、
せいぜい数万円どまり、安いのは数千円のものもある。また、双眼鏡
だけでなく、最近は美術館に行くようになって、単眼鏡も買うように
なったため、それも含めて結構な数になっている。

 

 星を見るのは、倍率が8倍で、口径が30ミリから40ミリ位だが、
普段使うのは、倍率が低い6倍で、口径が20ミリから30ミリ位になる。
 よく倍率が高いのを欲しがる人が多いが、倍率が高くなると手振れが
ひどくなるのと、口径が小さいと画面が暗くなるし、重くなることが
多いため、自分で手に取って確認した方がいい。

 いい双眼鏡は、明るくて視野が広く、像の歪みが少なくてスッキリ
見える。全てが揃うようなのは、外国製やニコンの高級機になるが
毎日使うものでもないので、コーワの8倍が気に入っている。

 

 今は、双眼鏡より少し高い天体望遠鏡を買って、木星土星
接近するのを見てみたいと思っているのだが、木星の縞や土星の輪が
見えるクラスのものは、結構な値段になるので、観測会に参加する
しかないかなとも思っている。