鍋あれこれ

今週のお題「鍋」

 

 寒くなると鍋を食する機会が増えてくる。最近は、色々な種類の鍋つゆが
出ていて、その日の気分に応じて食べられるのもいい。

 鍋の中では、シンプルなのが湯豆腐だ。但し、京都には湯豆腐を看板にして
いる老舗があるように、シンプルなだけに素材の良さが出るという面もある。
 昆布を敷いた豆腐が茹で上がってきたら、かつお節や刻みねぎを載せて、
醤油をかけて食べると、シンプルながら和食の良さが感じられる。さらに、
ぽん酢やかんずりなども用意して、味の変化を楽しむこともできる。


 石狩鍋や水炊き、きりたんぽ鍋などご当地鍋も、お取り寄せで楽しむことが
できるが、東京のご当地鍋は、ちゃんこ鍋だと思う。両国界隈を中心に、多く
の店があり、それぞれの相撲部屋の伝統を継いだ味があるようだ。相撲部屋の
料理だけに、基本的には2本足で手が付かない鳥肉や魚介がベースだが、最後
の締めに食べる雑炊も楽しみである。

 他に、東京で食べてみるといいのは、神田にある「ぼたん」の鳥すき焼だと
思う。すき焼きという牛肉というイメージで、東京には多くのすき焼きを看板
にする店もあるが、鳥のすき焼きはあまりない。
 明治30年代からある店の座敷に、小さな鉄なべを向かい合って食べるのは
他の店にはない雰囲気で、昔は牛鍋屋もこんな感じだったのではないかという
連想も沸く。


 最近は、食べていないが、昔よく食べたのはきりたんぽ鍋、秋田に住んで
いたということもあるが、鍋つゆの染みたきりたんぽがおいしいのは勿論、
一緒に煮る比内地鶏比内地鶏から取ったスープにしゃきしゃきとした食感の
セリなども合わさって、何度もお取り寄せしたものだ。

 どこの飲食店もコロナ騒ぎで、四苦八苦しているようなので、久しぶりに
お取り寄せをしてみようかと思っている。

 

 鍋は、皆で鍋を囲みながら団欒を共にするのが楽しいのだが、コロナ騒ぎで
食べる時だけマスクを外せなど言われると、言うのはわかるが、それが本来の
あり方ではないので、そんなことをしないでもできるような方法を提案して
もらえないかと思ってしまう。
 まあ、家庭内感染も増えていることだし、仕方ないのかなとも思うが。