私の愛の告白、むかし話

今週のお題「告白します」

 

 告白というのは、秘密めいたことを誰かに言うという
ことだと思うが、子供の頃から悪事をたくさんやってきて
いて、それらを告白するには教会でも行かないとできない
ので、今回は良い方の愛の告白をすることにしたい。


 愛の告白と言っても、それほど多くの経験がある訳では
ないし、これはこれで、2人だけの秘密にしておきたいと
いう想いもあったりする。
 今は、スマホSNSがあって、互いに直接連絡を取るため
の便利な手段があったが、昔は直接会うか、家の電話、手紙
の交換程度しかなかった。


 直接会って言うのは、場所とタイミングが難しいところ
がある。
 さらに、どう言っていいか悩むところがあり、若い頃は
言葉を整理してうまく伝えられないこともあった。
 結局、うまく伝えられずに、遠回しの表現しかできなく
て、後でプロポーズの言葉が無かったと散々に言われた
覚えがある。
 今では、そんなことも過去の思い出になってしまったが。


 告白を自分から言うのではなく、本人が意識しない相手
から、突然言われるということもあった。
 「私、〇〇さんでもいいんですけど。」と結婚を遠回し
に言われると、どう返していいかわからず、困ったような
顔をして、無言で返す位しかできなかった。
 断っておくが、自分はそれほどモテタ訳でもないし、人
からプレイボーイと言われたこともないが、イメージ先行
で、「〇〇さんと結婚した人は、幸せですね。」と言われ
たことはある。


 一度、手紙でプロポーズしたことがあるが、相手も突然
の手紙で悩んだのだろう、考えさせて欲しいという感じの
返事が一通来ただけだった。
 こちらも、毎日のように手紙を出すというほどの熱意が
なかったので、その返事で一気に想いが醒めてしまった。
 失恋したという思いで、食欲も落ちたのだが、暫くして
立ち直った。

 モテ期というのはあるもので、そこへ見合いのような話が
やってきて、今の妻と付き合うようになったのだが、手紙の
相手が事前の連絡もなくやってきたのだった。
 もし事前に連絡をもらっていたら、二股になってしまった
かもしれないが、既に思いも醒めている私は会わずに帰って
もらった。
 それが良かったのかどうかはあるが、仮に会っていたら、
相当ややこしいことになっていたと思う。


 さらに、学生時代にグループで交際していた女性が、結婚
するというので、皆で会おうという話が舞い込んできた。
 その女性は、個人で付き合うまでいってはいなかったの
だが、仲間内では好意があるということは言っていた人で、
今の妻と交際していなかったら喜んで行ったのだが、理由は
言わずに断った。 

 仲間内で結婚するといいなということは言っていたので、
もしそれがなかったら、逆転プロポーズということもあった
かもしれない。
 その後、結婚した彼女から挨拶状が初めて来て、胸が熱く
なった。


 今なら、アドレスを交換して、直接電話やメールでやり取り
していたと思うので、こんな行き違いは起きないと思うが、
それでも本当の想いを告白するというのは難しいかもしれない。
 こんな話があったのは、妻には話していないので、ここだけ
の秘密だ。