雛祭りはお道具係

今週のお題「雛祭り」

 

 雛祭りというと女の子の祭りなので、兄弟が男ばかり
とか1人暮らしの人には、あまり縁がないかもしれない。
 私の場合、姉がいたのだが子供の頃の雛祭りの記憶が
あまりないのは、親が熱心ではなかったのではないか。

 今は少子化で、親が子供に関して熱心なのに加えて、
スーパーなどが商売で売り込むのに加えて、祖父母が熱心
なのではないか。
 我が家の場合も、娘がいたので、雛人形はランドセル
同様、祖父母が買ってくれたが、妻の場合は父親が祖父母
に仕送りをしている状態だったので、父親が買ってくれた
という。
 それも、出張旅費が余ったのでということだったようだ。


 そんな事情で、今ある雛人形は、代々受け継ぐような
立派なものではなく、ガラスのケースに小さな木目込みの
人形とお道具が詰めて並んだ、いわゆる団地サイズのもの
なのだが、それでも、出して並べると雛祭りの気分は、
十分に感じられる。

 最近は簡略化して、夫婦雛のようなものも多いようだが
雛人形は、人形そのものだけでなく、調度も大きな要素
だと思う。
 浅草仲見世に江戸小物細工の店があり、そこにも調度を
売っているが、江戸時代の文化が残っている感じがする。

 より豪華なものは、大名家の雛人形で、徳川美術館
あるような嫁入り道具の一部として作られたものは、豪華
かつ精細といっていいと思う。
 大名家以外でも、三井美術館や静嘉堂文庫美術館で毎年
展示される財閥家の雛人形も立派なものである。


 お金持ちのものには比べもつかないが、道具を買い足し
たり、手直しをしたりしている雛人形は、妻にとって
それなりに愛着があるようだ。
 私も注文を受けて、修理をしたり部品の追加をさせられ
ているが、一番手間をかけているのは、「ぼんぼり」である。

 最近の雛人形には、「ぼんぼり」があるか知らないが
屏風の脇に立っている「ぼんぼり」は、昼間だと気になら
無いのだろうが、夜になると灯が入ってないのは、寂しい
感じもするので、明かりがつくようになっていた。

 小さな豆電球に、線をつないで電池で灯すような仕掛け
なのだが、年に1回しか使わないので、エナメル線を使い
単一電池のケースにつなぐ簡単なものでも、その都度配線
を調べてつなぐのが面倒な上に、エナメル線は接触が悪い
ので、今一つ暗い感じだった。

 数年前に思い立って、LED化すると共に電池ケースも更新
することにした。
 アマゾンで必要な部品を調達して作業をした結果は上々
で、明るくなると共に、オンオフが簡単になった。


 雛祭りとの私の関わりは、こういったことしかないが、
雛祭りには、蛤の吸い物とかちらし寿司とかを作ってもら
えるので、それも楽しみではある。