フリーにはたらくなら

 私は年金生活に入っている身なので、このテーマについて
書くことはどうかなとも思ったが、自分の経験を踏まえて、
フリーにはたらくことの意味を考えてみたい。


 私は3つの会社や団体に勤務していたので、フリーにはた
らいたことはない。また、会社で兼業を禁止する規定があっ
たし、今のように副業が可という時代でもなかった。
 ただ、会社が潰れるかもしれないと言われた時があったの
で、その時はどこか職探しをしないといけないと思った時も
あったが、フリーになってはたらくということを考えたこと
はなかった。

 当時、身内や友人からは、会社が大丈夫なのかと心配され
たが、私は、「どこか雇ってもらえるところはあるから心配
いらないよ。」と返事をしていた。
 何故なら、私は地方勤務もあったが、システム畑が長く、
その当時もシステム関係の部署にいて、通算10年勤務して
おり、特種情報処理技術者という資格もあったので、どこか
のシステム会社には、潜り込めるのではないかと思っていた
からだった。


 会社に入った当時は、10年位で辞めて、別の仕事に転職
した方がいいかなと思っていて、資格の取得に努めていた。
 資格を取った時は、10年も経っていなかったが、支店に
出ていたのと、結婚していたこともあり、直ぐに飛び出すと
いう気にはならなかった。
 その後、子供も生まれ、地方勤務にも馴染んで、このまま
いるのもいいかなと思いだして、結局、30年余り勤めるこ
とになったのだが、その後に転職した先はシステム会社だっ
たので、結果としては想定の範囲内だったのかもしれない。


 「すまじきものは宮仕え」と昔から言われるとおり、上司
に気をつかいながら、鬱々とした日々を過ごすのであれば、
しがらみのないフリーの方がいいかもしれないが、一方で、
仕事がないと食べていけないので、そのためには客先に気を
つかわないといけないこともあり、それほど単純ではない。

 言いたいことを言って、人に気をつかわなくても収入があ
る評論家のような人でも、うっかりすると口禍に悩まされる
ことがある。
 最近はネットで炎上するというのが、日常茶飯事なので、
それなら宮仕えの方がいいという人も多いだろう。


 フリーにはたらくいい点は、自分の理想が描けるというこ
とではないだろうか。
 会社を興す人は、自分の目的を実行する手段として考えて
いるだろうし、フリーランスで仕事をする人は自分の能力や
才能が他人に評価された上で収入を得ているのであれば、満
足感が極めて高いのではないだろうか。

 勤め人でも、外部の人から評価されるスキルなり能力があ
れば、いつ転職してもいいし、フリーになってもいいという
のではないかと思う。
 昔は、定年が早かったし、会社によって面倒見のいい会社
とそうでない会社があったので、人生設計を考えてフリーを
目指す人も結構いた。
 一方で、二足の草鞋を履く人も結構いるのは、仕事に対す
る考え方の違いもあると思う。


 私は3つの会社や団体に勤めたが、自分が宮仕えには向い
てないとは思っていたものの、安定した収入で生活を維持す
る方を選択したのだった。
 独身だったら、フリーになっていたかもしれないが、フリ
ーにはたらいても、ストレスがあっては楽しくない。
 収入をとるか精神的な安楽さをとるかは、それぞれの自由
だと思うが、人生の時間をどう捉えてどう使うかという判断
もあると思う。

 親の介護や集中力の低下で仕事への意欲がなくなったため、
はたらくことをやめてしまった私だが、はたらかない代わり
に、自分の資産を運用して小遣い程度は稼ぐことにしている。
 運用はうまくいく場合もあるし、うまくいかない場合もあ
るが、自己責任と‪割り切っているので、宮仕えのような精神
的ストレスはない。
 ただ、少額の収入でも、確定申告の書類作成にストレスが
あるのは、悩ましいところである。
 

 

 

 

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