いつのまにか増えた絵画

今週のお題「わたしのコレクション」

 

 コレクションというのであれば、何かまとまった形の
嗜好品があると思うのだが、残念ながら自分の気に入っ
たものはあれども、一つのポリシーなり趣味で一貫して
収集したものはない。
 結果的には、残っているのはまとまりのないガラク
のようなものになっているのかもしれない。


 最初に収集らしきものに手を染めたのは、切手だと思
う。過去に切手ブームがあったのを覚えている方も多い
かと思うが、わが家にも使わない大量の50円切手があ
ったりする。
 切手そのものは、色々なデザインや形のものがあって
楽しいのだが、コレクションとして整理するとなると、
結構手間がかかるし、何のためにそこまでするのかとい
う気もある。


 社会人になってから最初に集めたのは、レコードかも
しれないが、それとてファンと呼ぶには遠い歌手のもの
とクラシックの楽曲が十数枚ある程度にしか過ぎない。
 レコードの次は絵画で、独身寮の部屋にステレオセッ
トだけでは殺風景なので、3号程度の静物画を買ってか
けてみた。これが絵画との付き合いの始まりになった。

 その後、たまたま通った絵画の展示会で、勧められる
ままに、6号の栗を描いた静物画を買った。
 同じ絵ばかりだと飽きるので、気分を変えようという
こともあり、ボーナス払いで買ったのだ。
 結婚して、その絵をかけたら、妻には暗い絵だと言わ
れてしまったのもあり、その後暫く絵画を買うことはな
かった。


 転機は、何度か引っ越しをして家族寮に入った時、リ
ビングの壁が大きいのに何もかけるものがないため、殺
風景なので、何かかけようという話になった。
 それまで、日展などの絵画展には行っても、絵を買う
という発想はなかったのだが、たまたま行ったデパート
で、25号位の大きめの版画を売っていた。
 テーマは、ゆりかごに眠る子供を見守る母親を描いた
もので、妻は子供の顔が娘に似ているというイメージを
持ったのか気に入り、値段も安かったので購入した。


 リビングの版画は、結構インパクトがあり、転勤族は
そういったものは持ってはいけないので、梱包のまま出
さずに転勤先に眠っていたこともあったが、やがてわが
家のリビングを飾ることになった。
 私自身は、それほど熱心ではなかったのだが、自分の
家を構えるようになって、今度は妻が絵画を買うことに
熱心になったように思う。
 2人して展覧会にはよく行っていたのだが、高価な絵
は買うことができないので、小品を実家からもらってき
たり、チョコチョコと小品を購入してかけるようになっ
た。

 結局、今では、版画が4点、油絵が小品ばかり5点、
日本画が3点、アクリル画、水彩画と増え、さらにコロ
ーの複製画のようなものまで持つようになってしまった。
 さらに、この影響は娘にも及んで、彼女も勤めるよう
になって、自分のお金で2点買うまでになってしまった。


 今まで買ってきた絵画の内容を見ると、予算の関係も
あって、傑作というレベルではないが、その時点で気に
入ったものなので、処分しようという気にはならない。
 ただ、古くなった額は入れ替えたいというものもある。
額を入れ替えるだけでも、結構見映えが変わるのだ。

 保管スペースの関係もあるし、先立つものもあるので、
今後多くを買うことはないと思うが、小品で気に入った
ものが欲しいという気はある。
 コレクションというほどのことはないし、金額的にも
大したものではないのだが、そこそこの数になってきた
ので、一度リストを作って、写真を取っておいた方が良
いかなと思っている。