いろいろ買ったが、やはり住宅が一番高い

今週のお題「人生で一番高い買い物」

 

 人生で一番高い買い物は、年齢によっても、その人の
価値観によっても、また、収入の多寡でも違うと思う。
 私の場合は、サラリーマン家庭で兄弟3人だったので
子供の頃は、高い物は特別なことでもないと買ってもら
えなかった。
 今の時代は、おねだりを爺さん婆さんにするのかもし
れないが、私の頃はそんな家族もいなかった。

 例えば、中学校に上がった時、電車やバスで通うこと
になったので、時計を買ってもらったが、すごく高いと
いうほどのものではなかったと思う。
 なので、友達と旅行に行った時に、父の高級時計のお
古を貸してもらったのだが、旅先で失くしてしまったの
はショックだった。


 カメラは、父のお古をもらって使っていたので、新し
く買うということはなかった。
 その頃は、アマチュア無線の無線機を買ってもらった
のが、一番高い買い物だったかもしれない。
 ただ、無線をやっている大人の人で、高価な無線機を
使っているのを見て、お金に余裕のある人がいるんだな
と思った。

 高校生くらいになると、アルバイトをして少しはお金
ができたが、高い物を買うという感じではなかったので、
高い物は相変わらず親にねだるしかない感じだったが、
あまり買ってもらったという記憶はない。


 大学生になると、本格的にアルバイトを始めたので、
金回りがよくなり、生協でオーディオセットを買い揃え
たのが、一番高い買い物だったろうか。
 アンプとかチューナーとかは壊れてしまったが、スピ
ーカーだけは、今も使っている。
 大学の授業料さえも自分で払うつもりだったが、それ
をすると親の権威がなくなると冗談めかされて、親が払
ってくれた。
 大学の授業料も高くなってしまったので、今ならやろ
うと思ってもできないと思う。


 社会人になって、3年位したところで中古車を買った。
新車を買うほどの余裕はないし、ローンを組むのは嫌だ
ったので、中古車になったが、それでも数十万円はした
と思う。

 その次に大きな買い物をしたのは、婚約指輪と新婚旅
行の費用だったと思う。
 結婚式の費用は親戚を含めて招待したので、親がかり
で、自分ではほとんど出さなかったのだが、新婚旅行は
全額自分の負担で、ハワイに行くことにした。
 義父からは、国内旅行にしてお金を貯めといた方がい
いのではないかと言われたが、海外旅行をする機会も少
ないので、思い出を大切にしたかった。

 その後、何十年も夫婦で海外旅行をすることはなかっ
たのでよかったと思う。
 カード会社のCMで、思い出はプライスレスというコ
ピーがあったが、お金では買えないものが一番というの
を実感している。


 そこから先は、車を買い替えたり、子供の授業料など
どんどん大きな金額が出るようになったが、やはり一番
大きな買い物は、住宅を買った時だ。

 私は社宅住まいだったのだが、当時は何歳までに社宅
を出ないといけないという規定が無かったので、お金も
ないし、退職時点で考えるかという感じでいた。
 ところが、突然、実家の家を壊して、そこに家を建て
ないかという話が持ち上がった。
 話が進んで、家の設計図までできていたのだが、これ
また突然中止になってしまった。

 その後、父から、いつまでも社宅というわけにはいか
ないので、家を持った方がいいのではないかという勧め
があった。
 探し回った結果、紆余曲折があって、今住んでいる建
売りを買うことになった。
 当時は、義父が病気だったこともあり、妻の実家にも
近いところを優先した。


 自分が住むだけなら、高い不動産を買う必要はないと
思うのだが、実家に近いとか、子供の通学に便利だとか
いろいろな条件を付けていくと、場所が限られてしまい、
土地の値段が高いところに無理して買わざるを得なくな
ってしまうこともある。
 父から言われたこともあり、実家を立て直す話が流れ
たし、こちらも借金を抱えていたので、父との共有名義
にしてもらったりしたが、考えてみると相当無理をした
気がする。
 
 住宅は、同じ値段でも条件が異なるため、同じ物はな
いというのが、車や電化製品と異なる点で、それだけに
何を優先するか、何に妥協するかといった判断が求めら
れる。
 お金に糸目をつけなくても、全ての条件を満たす物件
はなかなかないものなので、私のようにお金がない人間
は、当然四苦八苦しながら買うことになる。
 なので、これ以上高い買い物は、もうしないと思う。