試験には運もあれば、出会いもある

今週のお題「試験の思い出」

 

 受験シーズンを迎えてのお題ということだろうが、
試験には入学試験のような選抜試験と技能レベルを
見る資格試験がある。
 どちらの試験も受けたことがあるが、合格した試験
よりは、落ちた試験の方が思い出ある。

 
 最初に落ちた試験は大学入試で、その結果浪人する
ことになった。人生における挫折という感じの人もい
るかもしれないが、私の場合は落ちるべくして落ちた
ので、それほどの悲壮感はなかった。
 まあ、親にしてみれば、半分は仕方ないと思い、何
とできの悪い子をもったものだと思ったことだろう。

 二度目の大学受験は、志望を変え、複数受験をして
二浪だけは避けることにした。
 今はどうか知らないが、合格すると入学金を払わな
いといけないのだが、他の大学に行くことにすると、
入学金は返してくれない。
 そこで、順番に合格していけば、第一志望の大学ま
で、入学金を払わないでいけるように、スケジュール
を組んで4校を受験した。

 1校目の大学は首尾よく合格したのだが、2校目で
つまずいてしまった。
 さて、1校目の入学金を払うかどうかが問題になっ
た。親としては二浪は避けたいので、払うことにした
のだが、結局、その後第一志望に合格したので、その
入学金は帰ってこなかった。
 入学金を払った学校からは、校章までもらい、幽霊
学生のような感じだった。ちなみに、その学校へは学
部が違うものの従兄弟が入学した。


 4校受けてみて思ったのは、試験は実力だけでなく、
運のようなものもあると。
 結局、倍率が高いところは、ちょっとしたミスが大
きく影響するし、倍率が低いところは実力が接近して
いるので、どのような科目を選択するかとか、自分の
得意分野が出題されたとかが合格を左右する。
 ただ、実力が伴わないと、試験に合格しても、入っ
てから苦労するというのを実感することになった。


 入学試験よりドラマチックなのは、就職試験だった。
こちらも入試同様、真剣さがないため、なかなか内定
をもらえなかった。
 そもそもこの会社に入りたいとか、こういった仕事
をしたいとかいう希望がなかったので、相手もこいつ
はダメだと思ったのではないだろうか。
 結局、面接での内定がもらえず、ペーパー試験を受
けることになったのだが、ペーパー試験で通る人数は
限られている。
 今考えると相当いい加減だったのだが、受かれば儲
けもの、どこかの会社には入れるだろう位にしか考え
ていなかった。

 ペーパー試験の1社目は、かつての電電公社で、受
験者も数千人規模ではなかったかと思う。
 当然ながら、落ちたのだが、2社目の試験で数学の
問題で同じものが出た。
 当時は、ペーパー試験を外部の業者が作成したもの
を使っていたのだろう。さすがに同じ問題を二度やれ
ば、楽に回答できた。
 結果は合格。面接で、「きみは数学ができるね。」
と言われたが、本当のことは言えないので、適当に胡
麻化して、内定をもらうことができた。


 それがよかったかどうかは分からないが、結局、そ
の後の人生を左右することになったのだから、何が起
こるかわからないというのは、全てについて言えると
思う。
 諦めずに、自分の思いを貫いていれば、そのうち何
かいいことがあったり、いい出会いがあるのではない
だろうか。