豆四題

今週のお題「マメ」

 

 マメと言われて、まず思い浮かぶのは、大豆と小豆だろうか。
他にも色々な豆はあるが、子供の頃から馴染みのあるのが、この
2つだ。

 もうすぐ節分で、豆まきと言えば、大豆を炒ったものが昔から
使われている。コロナ禍で、地元のお寺の豆まきが中止になって
しまったのだが、そこで使われていたのは、パックに入った豆だ
った。
 豆まきをした翌朝には、豆を拾ってきれいにしていたのだが、
パックに入っていれば、無駄にならないということなのだろうが、
何となく味気ない。

 豆が好きなのはハトで、畑に豆を蒔いて何もしていないと、嘴
で豆を掘り返して食べたりする。なので、芽が出るまでは、網を
かけておく必要がある。
 昔は、枝豆が大豆と言うことを知らなくて、種袋から出して、
大豆だったのかと気が付いた。
 それまでは、枝豆の苗を買ってきていたし、緑色のままで収穫
して食べていたので、大豆というイメージが湧かなかった。

 今は、大豆のほとんどは外国からの輸入なのだが、納豆、味噌、
醤油、豆腐など大豆製品は和食の定番になっている。それだけ、
日本中で大豆が栽培されていたということなのだろう。
 味噌を作るほどの土地はないので、プランターで枝豆栽培程度
なのだが、朝どれの枝豆はおいしいので、毎年のように栽培して
いる。


 小豆は、和菓子やしるこなどの材料として使われるのだが、あ
んこが嫌いという人には、関心がないだろう。
 赤飯にも入れたりするのだが、赤飯は「ささげ」という似た豆
を使うことも多い。
 有名な和菓子屋さんで使う小豆は、大粒の大納言という品種が
多いのだが、家庭ではそこまで拘ることもないだろう。それより
は上手に煮るのが結構難しい。
 NHKの朝ドラで、「おいしゅうなあれ」と言いながら、小豆を
炊くシーンがあったが、じっくりと煮崩れしないように、また、
甘さをどの程度にするかといった砂糖の加減や水加減にも慣れが
いる。
 なので、面倒な時は出来合いのあんこを買ってきたりするのだ
が、店によって味が違うので、贔屓が出てくる。

 私が好きなのはどら焼きで、先日も上野の展覧会の帰りに、
うさぎや」へ行ったのだが、生憎定休日で買い損ねた。東京に
は「うさぎや」として有名な店が3店あるので、どこかでは買え
るのだが、展覧会で歩き疲れていたので、あきらめて帰った。
 今年は兎年なので、正月は「うさぎや」のどら焼きを買いたか
ったが、年末は余裕がなかった。
 去年の正月は、「うさぎや」でなく、「すずめや」のどら焼き
を買ったのだが、営業時間の見直しで、年末のどら焼きの販売を
止めてしまったので、それも買えなかった。


 正月に食べる豆と言えば黒豆だが、これも丹波産のものが一番
良いよされていて、高級料亭のおせちには、必ず丹波黒豆の煮た
ものが入っている。
 世の中で売っている丹波黒豆は、丹波地方で採れたもの以外の
ものも多いので、本物の味は食べた人しかわからないかもしれな
い。
 自分の家で黒豆を煮ると、小豆同様に煮崩れせず、ふっくらと
仕上げるのが大変で、また、黒い色を出すために釘を入れるとか
するのも面倒なので、やはり出来合いの瓶詰を買ってきたりした
こともある。
 子供の頃は、お歳暮で黒豆の瓶詰を貰ったりすると小躍りして
喜んだ。おせちに入れるのは、少量なので、そっとつまみ食いを
したものだった。

 今は、高級な黒豆でなくても、スーパーで売っている袋入りの
黒豆で十分満足している。食卓に少しだけ煮豆があるだけでも、
バリエーションが出て豊かな気分になる。


 豆の最後は、コーヒー豆。昔はインスタントコーヒーが主で、
瓶入りのものを買っていたのだが、いつの頃からか、コーヒー豆
の挽いたものをドリップして飲むようになった。
 最初の頃は、コーヒーミルを買って、自分で挽いたりしていた
のだが、今はもっぱら挽いてある豆を買ってきている。
 ドリップもネル袋を使ったりしたが、今は、安いコーヒーメー
カーと紙の濾紙の組み合わせで済ませている。
 基本、毎朝コーヒーを入れて飲むので、結構な量になる。昔は
豆の種類にもこだわっていて、ハワイコナとかモカマタリとかが
好きなのだが、値段の関係もあり、そこそこの値段で買えるもの
を選んで買っている。
 そういう意味では、コーヒー通の生活ではなく、生活の一部に
コーヒーがあり、朝コーヒーを飲むと一日が始まるという感じで
いる。イタリア人なら、朝仕事の前にエスプレッソを飲むのだろ
うが、エスプレッソマシンは高いので、今はこれで満足している。