時計や万年筆、思い入れがあるもの

今週のお題「一生モノ」

 


 買い物をする際に「これは一生ものですよ」といった
セールストークを聞いたのを思い出した。
 何を買おうとしたのだったか覚えていないが、実際に
一生ものではないかと思う物はある。

 まず、腕時計。最初に買ってもらった腕時計は中学生
の頃だったろうか。通学のバスの時刻に遅れてはいけない
といったこともあっただろうか、シンプルな手巻きの時計
を買ってもらったのだが、あまり長くは持たなかった。

 勤めだして最初に給料で買った時計も、クオーツ式の
あまり高くないもので、それほど持たなかったが、転勤で
秋田に行った時につけていた時計が、かなりごつい感じ
だったので、仙台に出張した時にヨドバシでシンプルな
ものに買い替えた。
 それが30年前位なのだが、今も動くので一生ものと
言えば一生ものに近い。

 ただ、安いクオーツは、部品の寿命がそのうちに来る
と思うので、こちらがくたばるのとどちらが早いかは、
わからない。


 自分で買ったのではなく、もらった時計もたくさんある
のだが、その中で父がつけていた腕時計を最近は常用して
いる。
 50年前以上の時計なので、ビンテージと言われるが、
機械式の時計なので、オーバーホールの整備をすることで、
キチンと動いている。

 親子二代に渡って使っているので、一生ものというのに
ふさわしいのだが、息子がこれを使うかどうかはわからない。


 一生ものという言葉には、単に永く使えるというだけでなく、
持っている本人が、一生愛着を持って使えるものという思い
も込められていると思う。
 そういう意味では、万年筆も父親譲りのものを使っている。

 万年筆は、ペン先やインクを変えれば、本人の好みの書き
味にできるので、好きな人は好きだと思うが、ボールペンに
比べると滲みやかすれが気になると言って、持たない人も多く
なっているかもしれない。

 私は、万年筆は手紙を書く時にしか使わないのだが、妻は
日記を書くのに使っていて、インクに凝ったりしている。


 他に一生ものというと、包丁ヤナイフもある。その延長線
にあるのが、日本刀かもしれないが、私は持っていない。
 愛着のある刃物は、日頃の手入れが重要というのも一生もの
とするのにふさわしい。
 私は手入れが楽なステンレスの包丁を買っているが、それ
でも、プロが使うような包丁は2万円位するので、買い替え
はしておらず、おそらく一生ものになると思う。


 他にも、陶器や磁器、茶器などで高価なものは、愛着のある
一生ものがあると思うのだが、本人が亡くなった後は、叩き
売られてしまうかもしれない。

 仮に処分されてしまうとしても、一生ものは、本人が思いを
したためておき、ゴミとして処分されてしまうことのないよう
にしておくべきと思っている。