目的は何かを意識して

 新型コロナウイルスに関連して書いてきたが、現状の改善が
進まないこともあり、嫌になってきたので、現状分析と今後の
対応を検討しようとした下書きを放って、少し別の観点で
書いていこうと思う。

 

1.目的思考をする

  目的が何かを意識しだしたのは、社会人になって、仕事を
 与えられると共に、システムについて独学を始めた頃だと
 思う。

  与えられた仕事をこなすのは必要だが、できれば自分が
 楽になることを目指していた。仕事を効率的にやるためには
 システム化が有効ということは漠然とわかっていたものの
 そもそも言葉ほどには、システムとは何かがわかって
 いなかった。

  システムは、日本語ではないため、体系だとか組織とか
 に訳されることが多いが、より詳細な解説を読むと、一つの
 目的の仕事を果たすための機能なり組織体ということが
 わかると思う。つまり、システムには、目的が必要なのだ。

  コンピュータシステムを勉強するとなると、プログラミング
 の勉強をする人が多いが、システムの基本的な考え方を知った
 うえで、プログラミングをするのとそうでないのとでは、
 後で役に立つ度合いが違うと思う。

 

  目的思考は、言われた仕事をただするのではなく、何の
 ためにするのかを考え、そこにつながる業務の関係を認識
 していくことで、効率化のヒントや統制の弱さが見えてくる
 ことにつながる。

  自ら主体的に仕事に取り組むためには必須で、これを
 してない人間は、創造力が不足していき、上司を見て仕事
 をするようになってしまう。

  なぜ、目的思考かというと、現状の新型コロナウイルス
 報道や政府の対応を見ていると、そういった観点での説明も
 解説も不足していると思うからである。

 

2.目的が違えば、手段も結論も違ってくる

  こういうことを言うと、そんな馬鹿なという人もいるが、
 実際には、目的を明確にしないまま進んでいると、結果と
 して、そのようになることがある。

  例えば、新型コロナウイルスの対応を見ても、感染拡大
 の阻止という目的があるので、外出の自粛や対外接触の8割
 という目標や宣伝があるのかと思うが、その陰で、患者が
 ジワジワと増加して、医療資源が圧迫を受けていき、最終的
 には医療崩壊の危機が懸念される。

  私は、本来の目的は医療崩壊の阻止であるべきで、その
 ための感染拡大の抑制はあるが、もともと脆弱な医療基盤
 がある所には、重点的な支援をしていかないといけないし、
 感染者の早期発見と隔離をしていかないと追いつかないと
 思っていた。

  確かにクラスタ追跡は、感染経路不明の件数が少ない時点
 では、効率的な対策だったかもしれないが、感染経路不明が
 継続的に発生し、かつ、増加しているような状況では、
 大量の検査に重点を移すべきだったし、また、追跡不能
 リスクを認識していれば、早期に検査態勢の増強をしておく
 べきだったと思う。
  医療崩壊の危機については、政府も意識していたのだろう
 が、あえてマスコミにはそういった表現を使わないように
 要請していたというから、ある意味確信犯だと思う。

  おそらく、5月6日以降も、自粛要請が続くが、それで
 解決するわけではなく、長期化することで、さらに深刻な
 事態が発生することも考えられる。

  結局、コロナウイルスの話になってしまったが、目的を
 取り違えると、結論さえ違ってくるということを意識して
 もらいたい。

  ついでに言えば、マスクの全世帯配布も、10万円の給付
 も、目的が曖昧で、期待する効果がどのようなものかも
 よくわからない。財政事情が厳しいなか、考えたお金の
 使い方をしてもらいたいと思う。