情報システムのウイルス対策は、参考になるか

 新型コロナウイルスへの対応は、相変わらず実効性が低いため、
感染拡大が止まるようには見えないが、視点を変えてシステムの
ウイルス対策を参考にできないか見ていきたい。

 ご存知のように、コンピュータウイルスの問題は、時々世間を
騒がせ、情報漏洩やシステムの停止などの問題を引き起こしている。
中には、ウイルスなのかサイバー攻撃なのかわからないため、今回
のCOVID-19も中国の研究所で作られたものではないかという
話まで出てきているが、コンピュータウイルスの場合は、間違いなく
人為的に作りだされている。

 ただ誰が作ったかは不明でも、何らかの対策をしないと経済活動に
影響が出てしまうということは同じで、何らかの対策を取る必要が
ある。

 

 一般的な対策は、対策ソフトを入れることで、ウイルスを検知する
ことだが、実際問題として、新しく作られたウイルスには検出する
ためのパターンファイルが出来てないので、準備ができるまでは
無防備な状態になってしまうため、使用中止やネットワークからの
遮断が必要になる。つまり、ウイルスに感染したと疑われる場合は、
隔離をすることが必要になる。
 但し、ウイルスに感染したのか気付かない場合もあるため、その
場合は、対策ソフトが対応していなかったり、対策ソフトを入れてない
人もいるので、一定程度ウイルスに感染したシステムがあると考えた
方がいい。これは、新型コロナウイルスのように無症状の感染者がいる
のと同じと言えないこともない。

 

 実際問題として、ウェブカメラのように、ネットワークに接続されて
いながら、セキュリティ対策が不十分なものが多数あるため、これが
踏み台になって攻撃されるという事態も発生している。現状は、ネット
ワークに接続される機器が爆発的に増加しているため、これへの対応
は大きな課題になっている。
 新型コロナウイルスも、既に無症状の感染者が多数いることが判って
いるため、濃厚接触者を含めた検査の拡大を急速に行い、感染者の把握
を進めることが必要である。
 現状では、感染者数の拡大に対し、保健所の人員態勢が追い付いてない
ので、この部分はもっと強化する必要がある。ニューヨークでは、追跡
を担当する人間が3000人いるそうだし、検査能力も1日7万人可能と
いうことなので、感染者数を予測して、それなりの態勢を整備していく
必要がある。

 

 感染したシステムがあっても大きな問題になっていないのは、ワクチン
に対応する対策ソフトが多くのシステムに入っているのと、新ウイルスが
発生した場合は、警報を出す態勢が出来ていて、大規模なシステムは管理
者が、警戒するようにしていることがある。但し、サイバー攻撃のような
ものは、個別対応になるので、影響が大きなものになることがある。

 新型コロナウイルスも、病院や老人介護施設のような場所は、重点的に
防御する態勢が必要だと思う。

 

 こうして見ていくと、やはり検査による検知と隔離が基本的な施策なの
ではないかと思うが、どこまで検査し、どこまで隔離するかという方針が
見えないのが気になるところである。散発的に、空港検疫の検査を9月
までに、1万件まで拡大させるといった話が出るが、根拠も方針もないと
思われるがいかがなものだろうか。