スギ花粉は悪者か?

今週のお題「花粉」

 

 花粉と言えば、この時期話題になるのはスギ花粉による花粉症の話では
ないか。テレビの天気予報でも、本日の花粉の飛散量が多い少ないという
予測が出る位なので、国民的な関心事になっていると思う。

 かくいう自分も花粉症で、この時期になると、目がかゆくなり、鼻水が
止まらなくなったり、頭がボーッとする等の症状に悩まされる。
 当然のことながら、ひどくなると薬を飲んだりするしているが、通常は
マスク程度でやり過ごし、外出を控えるといったことをする。
 今はまだスギ花粉なのだが、この後に来るヒノキの花粉の方が、きつく
出ることが多いので、何とか軽く済ませておきたいという意識がある。


 昔秋田に住んでいた頃は、花粉症の症状などなかったので、東京に来て
からだと思うが、車の排気ガスと花粉が症状を悪化させたのではないかと
勝手に想像している。
 車の排気ガスは、昔に比べて格段にキレイになったが、花粉の方は年々
ひどくなっているようにさえ、思える。
 朝起きるとベランダが黄色になっていたり、車にほこりのように黄色の
花粉がついていたりする。

 戦後植林されたスギが成長する一方で、山の手入れがされず伐採が進ま
ないのも一因かもしれない。
 ただ、花粉といっても、スギやヒノキだけでなく、今はブタクサなど
年中飛んでいるようなので、花粉症も春先だけの現象でなく、通年化して
いて、スギだけを悪者扱いにはできないだろう。


 普段はスギ花粉くらいしか意識していないかもしれないが、花が咲けば
花粉があるのは普通で、野菜などは受粉がうまくいかないと、実がならず
困ってしまう。
 イチゴの栽培農家は、受粉を手でやるのは大変なので、ミツバチをハウス
に放して受粉してもらっているようだが、ミツバチが減って困っていると
いう話があった。
 私もプランターで、野菜を作ったりしているが、自家受粉するような
ものはいいが、そうでないものは、人の手でおしべとめしべをくっつけ
たり、雄花を雌花にくっつけたりしてやる手間がいる。

 木の場合は、雄木と雌木が離れているため、スギのように大量の花粉を
風に乗せて配ってやらないと受粉しないということなのだろう。
 花粉症にはならないが、近くの神社にあるイチョウは、4月頃になると
雄花がたくさんついて、秋には雌木からたくさんの銀杏が落ちてくる。
 街路樹のイチョウは、ほとんど雄木なのだが、近くに雌木がないと、花
や花粉が落ちていても、あまり気にかけないで通り過ぎてしまうと思う。


 スギの花粉も花粉症になる人が多くなければ、こんなに騒がれることは
なかったのにと思う。
 風に乗って漂うものは人の噂と同じで、広く影響があるかどうかで評価
が変わってくるのだろうか。