緊急事態宣言 延長するって?!

 1月初めからほぼ2か月、やっと終るかなと思っていた緊急事態宣言
をさらに延長するというではないか。
 確かに東京の場合、新規の感染者が300人を超える日もあること
から、感染が収まったとは言えないが。
 ただ、2か月近くになっても、まだそれだけの数字になっているのが
何故なのかを考えた方がいいのではないか。

 多くの繁華街で、人出が増加しているというのも、人々が我慢できなく
なっているからだと思うし、相も変わらず不要不急の外出を控えてと言う
ばかりで、それ以上の具体策を出してきているようには見えない。
 ワクチンを切り札という人もいるが、優先接種が始まったばかりで、
接種全体がいつまでに終わるのかも見通せない以上、現状での効果的な
対策を打ち出す必要があるはずだ。


 気の緩みということを言う人もいるが、人間の緊張感というものは、
それほど長く維持できるものではない。1か月間でも、緊張感を持続する
ことができるのは、新規感染者という数字を基に、マスコミが危機感を
煽っているからできているのであって、その数字が下がってくれば、
維持できる筈がないのも無理はない。

 専門家からすれば、感染者が減ったと言っても、いつまた増加に転じる
かもしれないという危機感があるため、もっと少なくなるまでは、延長
すべしという考えなのかもしれないが、それならどこまで減れば、また、
どうやったら減るのかを具体的に示す必要があると思う。
 今まで聞いている限りは、3密回避や会食制限、外出自粛といった行動
規範的なことばかりで、いい加減聞き飽きたという印象でしかない。
  

 言っていることは、もっともなのかもしれないが、現状を見ればそれで
皆が従っているわけではないのは明らかだが、政府も自治体も専門家も
それを言い続けていることで、やっている感を出しているようにしか見え
なくなって来ている。
 専門家は、効果がなければより強力な措置を取らなければいけなくなる
というようなことを話していたが、それは欧米のロックダウン的なことを
意味していたのだろう。

 現実には、それだけの法的な措置が取れないし、法改正しても休業命令
的なことはできても、人々の行動を縛ることはできないので、昨年の緊急
事態宣言の時のように、多くの店舗や事業所を閉鎖するしかないのだろう。
 但し、それをやると経済的なダメージが大きいので、そこまでは踏み
切れないので、今のような営業時間の短縮的なことで済ませているのでは。


 今必要なのは、そこまでしなくても効果的に、感染者を減らしていく
対策なのだが、現状調査や検査した結果をベースに、具体的な対策を立案
するという能力が政府や自治体には欠けていると思う。
 私は表面的な感染者数が多い少ないということではなく、感染経路が
不明な数を減らすことが対策として重要だと思う。

 この感染症は、無症状の人が多いため、感染経路がわかりにくいという
ことはあるものの、基本的には人から人へ感染するため、人と人との接触
を少なくすることが必要だが、単に行動自粛を呼びかけるだけでは、どこ
接触したかがわからない。
 そこで必要なのが、個人の行動履歴の把握なのだが、そのために有効な
のがCOCOAのようなアプリの活用だ。
 COCOAは、個人情報の保護を重視したせいなのか、意味のある使われ方
をしていないし、アプリそのものも欠陥があって有効に機能していないと
思う。

 緊急事態宣言を延長するならば、新しい対策や武器を用意して、それに
立ち向かうという姿勢を示さないと、結果的にずるずると延長することに
なりはしないかという懸念があるのだが、さて結果やいかに。