読みたい本は、「納得の老後」

今週のお題「読みたい本」

 

 最近は、老化で細かい字を読むのが苦手で、本を読まずに雑誌や
ウェッブの記事ばかりの生活なのだが、今週のお題に刺激されて、本
を読もうと思っている。

 表題に掲げた「納得の老後」は、岩波新書なのだが、2014年に出
たものなので、絶版になっている。ただ、岩波新書なので、図書館には
多く収められていると思う。
 私は、近所の図書館で借りることにした。

 何でこの本を読もうと思ったのかというと、自分が老化したということ
もあるが、最近親しい人が亡くなることが多く、また、自分の母親が衰
えてきている中で、どのような老後を過ごさせてあげればいいのかを考え
たいと思ったからである。

 実は、著者の村上紀美子さんは、今年の4月24日にガンで亡くな
られてしまった。まだ、70歳なので若過ぎる死だと思う。
 去年見かけた時は元気だったし、9月には海外へ出かけたり、正月
に子供さんに料理を振舞ったりしていたということなので、本人も想定
外のことだったろう。
 3か月の闘病生活の最後には、自分の手を自分で洗えなくなると
は想像していなかったとFacebookへ書き残している。

 長く医療の現場を見て、最後は日本の在宅ケアのすばらしさを日々
感じていると書き残しているが、この本を書いた時は10年後の自分の
姿は想像しておらず、むしろ自分の親の介護を想定していたものと思う
のだが、人は皆思い通りの終末を迎えられるとは限らない。
 どのような老後がベストということは言えないが、どのような最後を迎
えようとも、心の準備と身辺の整理を常に心がけておくことが、必要な
のではないかと、自分で思うようになっている。

 村上さんの資料は、NPO法人白十字在宅ボランティアの会にあるの
で、関心のある方はご覧ください。
 Facebookの最後のメッセージは、サウンドオブミュージックにある
「Climb every mounntain」の歌詞をみなさんに贈るとあった。
 私も大好きな曲だが、夢と希望をもって日々生きていくことが大事
だと改めて思うのだ。

「納得の老後」 日欧在宅ケア探訪  村上紀美子 著
岩波新書(新赤版)1489