私の本棚の一部を紹介

今週のお題「本棚の中身」

 

 最近は本を買って読むことをしないので、本棚と言っても
本以外の物を置く棚のようになってしまっている。
 そうは言っても、本がないわけではなく、そこにあるのは
過去に勉強や仕事をした時に参考になった本が置いてある。
 それらが、また役に立つということはないと思うのだが、
なんとなく捨てるには惜しい気がしてとってあるので、その
一部を紹介しよう。


1.「企業観相術」
 銀行の融資担当者が、取引先企業を見るうえで、どのよう
な視点で見ていくべきかということを書いた、ハウツウ本。
 もう古い本なので、新しいものはないがアマゾンで古い本
が売っていた。

 最近は、AIばやりで数字などで簡単に財務分析したり、
定性データを入れて簡単に判定してしまうのかもしれないが、
昔は眼と耳と感を働かせて仕事をしていた。
 銀行の担当者でなくとも、商売の取引をする時に、相手が
信用できるかどうかは、言っていることとやっていることの
整合性があるかどうかが重要だと思う。

 今の世の中、評論家と称する人や政治家が都合のいい事を
言っていることが多いが、人の言うことを鵜呑みにしないで
確かめるには、何を見ていけばいいかということを教えてく
れるような気がした。


2.「実務で使える内部統制の構築・評価Q&A」
 アメリカのSOX法が、日本でも整備されるということに
なり、上場企業等での対応が話題になった頃、内部監査部門
にいて、社内の体制整備に従事することになった。

 その当時、参考にした本で、ボロボロになるまで読みなが
ら社内の制度や規定の整備をしたことが思い出される。
 今では、実務経験を経て、沢山の参考書も出ているのだが、
当時は政府の審議会から出てきた文書や、アメリカの事例を
参考に、手探りで整備するしかなかった。

 今でも、新たに内部統制報告書を作る必要に迫られる上場
企業の担当者は、制度全体の概要を会計事務所やコンサルタ
ントからレクチャーを受けないと解らないことがあると思う
のだが、一度話を聞いただけではダメで、疑問点をQ&A的
に整理する必要があると思う。

 この本自体は、制度発足当初に手探りで書いたものなので
今使うのに十分かどうかはあるが、疑問点がコンパクトに整
理されているので、必要な部分を拾って見るという感じ。
 何よりも、自分が苦労した思い出が本に詰まっている。


3.「さだまさし 時のほとりで」
 固い本ばかり続いたので、こんなのもあるという一冊。古
新潮文庫なので、今では手に入れるのも難しいと思うが、
若い頃よく聞いていた「さだまさし」の歌の歌詞と写真が入
った一冊。

 今でも、NHKの「今夜も生でさだまさし」を見たりする
が、隠れファンだった私は、レコードや本がいくつか残って
いる。
 青春時代の音楽は、いくつになっても聴く度に、当時の思
い出が蘇ってくる感じがする。
 曲の歌詞に込められた思いと当時の自分の姿が重なってく
ることがあり、捨てがたいものがある。

 最初は、歌詞が書いてあるだけなので、レコードについて
いる冊子で十分ではないかとも思ったが、手にとってみると
違うものだと感じて購入した一冊。
 歌詞に、作者の簡単なコメントが付いているので、その曲
の背景や気持ちが伝わってくる。


 他にも雑多な趣味の本などが整理されずに、本棚に残って
いるのだが、もう読むことはないものは処分するしかない。
 若い頃は、歳をとったら読もうと思っていた本も、今では
それだけの気力も体力も残っていないことに気づかされる。