インターネットに思う

 

 インターネットという言葉について、知らない人は少なくなった
と思うが、インターネットの内容について詳しくは知らないという
人も多いと思う。
 おそらく、スマホを購入すればインターネットにつながるので、
電話会社と電話会社でつながるネットワーク位に考えている人も、
結構いるのではないか。

 在宅勤務でリモートワークをする人は、会社とのネットワークを
用意する必要があるので、インターネット回線の確保をするために
新たにプロバイダー契約をすることも多いだろう。
 元々家でインターネットをする人は、wifi機器を家庭内に設置し
て、通信費を節約したりしているため、インターネットについても
勉強して理解している人が多いのではないかと思う。


 私自身が、インターネットを利用し始めたのはwindows95が登場
した時で、それまではnifty serveでやっていたパソコン通信
インターネットに切り替えた時からだ。
 インターネットで、メールとNETSCAPEでのブラウザ利用がしてみ
たいというのが動機だった。
 最初の頃は、今のようなデジタル回線がなく、電話回線にモデム
という変調装置を入れて通信していた。従って、長時間運用すると
電話代が嵩むし、外からの電話がつながらないと顰蹙を買ったよう
に記憶している。
 ロンドンに出張した時に、日本とネット接続するには電話回線を
使うため、国際電話よりは安いが、ホテルから接続ポイントまでの
電話代がかかり、帰国する時に請求書を見て参ったこともある。
 そういうことを思えば、今は無料のwifiスポットがあるし、デジ
タル回線なので、通話品質もよく直ぐにつながるということで、隔
世の感がある。


 便利になったインターネットではあるが、一方でセキュリティの
問題や利用者のモラルの問題、GAFAのような巨大企業の問題、
中国のような監視社会の問題など利用者が膨大になるにつれ、多く
の問題を直接、間接に生むようになってしまった。
 インターネットそのものを廃止するということは、もはや不可能
なので、独裁政権が制限をするということはあっても、それを望む
人がいる限り発展し続けるに違いない。
 5Gへの対応がどのような利便性を生むのか判らないが、テキス
トから音声へ、さらに画像へと利用が拡大し、データそのものも大
規模なビッグデータを扱うようになって、ネットワークの中を流れ
るデータも、結果として蓄積されるデータも急速に拡大しつつあり、
インターネットの重要性はますます大きくなっていると思う。
 

 気になるのは、サービスの拡大に利用者がついていけてないので
はないかということで、セキュリティのように、便利ではあるが、
各人がそれなりに意識しないといけないことが、企業側の都合もあ
り、曖昧にされている面がある。
 また、受動的であるだけでなく、ルールが曖昧なだけに、利用者
の自覚とモラルが重要なのだが、そういった面での指導主体が不十
分であるし、サービス提供者による自己規制は、十分なコンセンサ
スが得られているようには感じない。


 インターネットだけでなく、皆、自分に都合の悪いことは隠すか
否定し、都合のいいことだけ吹聴したりするため、社会的な混乱が
ますます多くなっているような気がする。
 こういった状況を是正するため、インターネットを利用する上で
の指針を早く示して、コンセンサスを得るような取り組みが必要だ
と思うのだが、どうしたものかと思う今日この頃である。