デジタル化のネック

 最近は、つまらないことで腹を立てることが多く、いけないことだと
反省もしているが、どうしてそうなるのかなと思うこともある。

 今日も銀行で待たされたことで腹を立ててしまったが、それには理由
がある。私の住む街では、銀行の店舗統廃合が増えて、店舗まで行くの
に時間がかかるようになった。

 多くの処理はATMで済むので、滅多に店舗に行くことはないのだが、
今日はATMで記帳をしたら通帳が一杯になったため、通帳繰り越しをする
必要が出てきた。
 いつもなら近くの店舗で済むのだが、今週初めに店舗が無くなったため
仕方なく遠くの店舗まで行くことにした。


 店舗に入るとATMが並んでおり、あれ窓口はどこにあるのかなと思った
ので、ロビーの案内係に通帳繰り越しはどこでするのか訊いたところ、
よく確かめもせずに、ロビーにある通帳記帳機へ案内しようとした。

 私の通帳は、機械では印字できないため、いつも窓口でやってもらって
いるため、本当にいいのか訊き返したら、気が付いて奥の入口の中へと
案内してくれたが、少し腹が立った。


 中に入ったのはいいが、最近は受付機で順番を取らないと処理してもら
えないので、受付機の前に立ったはいいが、どこにも通帳繰り越しは何番
ということは書いてない。
 いつもなら、受付機の横に係員がいて教えてくれるのだが、たまたま
係員が2人で相談をしていて、こちらの相手をしてくれない。
 どこを押していいか解らず立っていると、気が付いて案内をしてくれ
左の窓口から呼びますからと言われたが、ここでも少し腹が立った。


 今はコロナで、待合の席も1つ置きになっていて、混んではいたが止ま
り木に腰を掛けて待っていると、比較的順調に呼ばれて通帳を渡して処理
が終わるのを待っていた。
 受付が順調だったので、今日は比較的早く終わるかなと思ったら、そこ
からいつまで経っても、呼ばれる気配がない。
 後から来て処理を終える人がいるのに、一向に呼ばれる気配がなく、
他に行くところもあったし、腰掛なので疲れてきて、一体どうなって
いるのか腹が立ってきた。

 混んでいた窓口が空いてきたところで、やっと呼ばれたのだが、頭に
来ていて、投げつけるように引き換え札を渡して、通帳を取って銀行を
出ることになった。


 銀行が混んでいるのは当たり前だった昔だが、ここ暫くはコロナと機械
化のため空いていたのに、銀行の効率化で3店舗が1店舗になったせいも
あって、混むようになったということだ。
 昔の感覚なら、時間がかかるのは仕方ないと思ったものだが、こちらも
短気になってしまったようだ。ただ、こちらも好きで窓口処理をしている
訳ではない。

 
 昔は、通帳の更新は自動機でできたのだが、ある日から通帳の記名は
住民票の記載のとおりにしないといけないようになって、私の場合、漢字
が機械で対応できないため手書きになってしまった。
 私自身にしてみれば、通帳の記名などどうでもよくて、本人がどうか
ある程度識別できれば十分なのに、おそらく役所からの通達でもあった
のではなかろうか、以後不便を強いられている。


 役所によっては、機械対応が難しいので、貴方の漢字は当用漢字のこれ
で表記しますというところもあるのだが、銀行の場合は杓子定規になって
いる。
 マイナンバーも届けているのだから、こんな漢字表記くらい変えても
問題ないと思うので、機械対応にしてもらいたい。

 戸籍の漢字表記は、いろいろなバリエーションがあるので、印鑑を廃止
するとか、マイナンバーを全員に持たせるとかより、漢字の表記を簡便化
しないとデジタル化のネックになってしまうと思う。
  戸籍の漢字そのものは、総務省がデータベース化してあるため、行政は
いいが、民間にまで全て適用を求めることになるのだろうか。