身体を休め、妄想をする

 

 その昔は、眠れないなんてことはなかった。遊びに疲れたか
仕事に疲れたかはあっても、眠くなったらそのまま朝までとい
う感じだった。
 眠れないようになったのは、仕事の上で不安が募り、どうし
たものか一人考え込むようになってからだと思う。
 それなりにポストに付いて、責任を感じるようになったのか
夜中に目が覚めるなり、意識が冴えてなかなか寝付けないよう
なことがあった。
 そういう時は、起きて仕事の資料なりパソコンを出して考え
を巡らすようなこともあったが、あまりいい考えは出てこなか
ったように思う。
 一人で悶々とするよりは、誰かに相談するなり、オープンに
してしまう方が楽になると悟ったのは、後のことだった。


 最近は、昼寝を十分したり、夜早く寝てしまうと、夜中に目
が覚めて眠れないということがある。日頃の生活のリズムで、
睡眠を5~6時間取ったら目が覚めるようになっているのだろ
うか、そうなると朝まで眠れなくなる。
 そのまま起きて、顔を洗い着替えて何かをするといっても、
家人が寝ているので、そうそうガタガタはできない。
 そうなると、テレビの音を小さくして見たり、パソコンを開
いて、ニュースなりウェッブサーフィンをする位しかなくなる。
 昔の哲学者は、朝早く起きて勉強や思索に励んだようだが、
当方はそれだけの素養もないし、ハマっている趣味もないので
仕方なく時間を潰しているような感じになっている。


 それがいいとは思わないが、さりとていつも眠れないという
訳ではないので、身体を休め、布団の中で、妄想というか、思
いついたことを取り止めなく考えては、記憶もせず消すという
行為を繰り返しているような気がする。
 今週のお題についても、寝ながらどんな内容にしようかと考
えることはあるのだが、さすがに内容が書けないで眠れないと
いうことはないし、眠れないからといってパソコンに向かって
書こうという気にもならない。


 生活を振り返ってみると、夜中に眠れないというよりは睡眠
不足で寝れていないという気がする。表面的には目が覚めてい
る時間が同じでも、質的には全く異なっていて、自分の意思に
反して眠れないよりはいいのかもしれないが、もう少しぐっす
り眠りたいという自分がある。
 寝不足の原因は、夜中のテレビのニュースを見てから寝る一
方で、朝が早く5時には起きるためなのだが、それなら生活を
見直して、ビデオを使うなりもっと遅く起きればいいようなも
のだが、撮ったビデオを見るのは面倒だし、遅く起きると予定
していた行動ができなくなったりする。
 眠れないときこそ、撮りためたビデオを見るいい機会なのだ
ろうが、そういう時に限ってビデオを見る気分にもなれない。
 コーヒーでも入れて、音楽をゆったり聴くというのもいいな
と思うが、それができるような個室がある訳ではないので、今
のところは夢の中という感じである。