元気の出る赤

今週のお題「赤いもの」

 

 自分でそれほど意識したことはないが、案外赤いものは
好きなのかもしれない。
 赤は、火が燃えるような感じで元気が出る。冬ならば、
暖かくも感じる。

 随分と前のことだが、妻が「古いオーバーが寒い」と
言っていたので、「新しいのを買ったらどう」と言ったの
に、「まだ着れる」とか言って買おうとしない。
 子供のものは簡単に更新するのに、自分のものになると
なかなか買わない性格は知っているので、私は勝手に通販
で買ってしまうことにした。
 いざ、買おうとなると、なかなか気に入ったものがない。
結局買ったのは、JALがやっていた通販で、客室乗務員が
デザインしたというダウンコートだったのだが、それが気
にいったのは、裏地が真っ赤だったことだった。
 表地は、薄茶色でそれほど目立たないのだが、脱ぐと裏
が真っ赤で、目立つし暖かく感じるのが気に入った。妻も
喜んで長く着ていた。

 
 話はそれるが、裏地に凝るというのは、江戸の粋であり
コートやスーツの裏地も、できれば気に入ったものにした
いという気がある。
 妻が今着ているコートは、表が真っ黒のダウンコートな
のだが、裏地はカラフルなデザインになっている。これも
デパートのバーゲンで並んでいたものを見て、私が勧めた
ものだ。TOKUKO 1er Volと聞けば、分かる人は分かると
思う。


 裏地だけでなく、バッグも中の生地が赤いバッグを買っ
て使っていたことがある。
 これも赤いと見て元気がでるし、中のものが見つけやす
いというメリットがあった。
 黒のバッグという固い感じと赤の内装というのは、斬新
な感じがしたものだった。このNEOPROというブランドは、
今でもあるので、愛用している人も多いのではないか。

 赤と黒というのは、小説の題ではないが、対照的なだけ
でなく、プレステージな色彩というイメージも受ける。
 昔、ビルブロスというデザイナーのネクタイをしていた
が、これが赤と黒を使ったデザインで、生地も感触がよく
私は、ハレの日に着けるものと決めていた。


 最近の赤で感動したのは、唐辛子の赤。5月に新宿で買っ
た内藤唐辛子が、秋になって収穫時期を迎えたのだが、この
赤色が、なんとも言えずきれいな赤だった。
 唐辛子というと、乾燥したものを見ることが多いので、
枝になった唐辛子を見たことがなかったのと、最初は貧弱な
苗から赤くつやつやとした実が沢山できたのに、感動した
ということもあった。
 たまたまテレビの番組で紹介された、地野菜の内藤唐辛子
を新宿まで買いに出て、栽培を始めたのが5月だった。
 ベランダのプランターで栽培して、収穫できたのは10月。
食べてみたら、とても辛かったが、これは水やりをサボッた
私のせいではないかと思う。
 
 赤色がきれいなだけでなく、栽培が簡単、なんと言っても
東京ブランドの野菜なので、来年も作ってみようと思ってい
る。それまで、唐辛子を食べて冬を乗り切ろうとも。