制裁とは言うものの、決別になるかもしれないと思う

 

 ロシアのウクライナへの軍事進攻に対して、欧米各国が
行った経済制裁
 米英が主導した上から目線の制裁という言葉に対して、
違和感がある人もあると思う。
 また、効果があるとかないとか様々な議論もあるところ
だが、この制裁の行きつくところは、ロシアとの決別にな
るのではないだろうか。

 制裁なら効果があるとかないとかいう議論もあるだろう
が、決別となれば、いつの時点で決別するかという時期の
問題だけになる。
 ロシアがいろいろと圧力をかけてくることがあっても、
腹を決めてしまえば、そういった言葉に動揺する必要もな
いのだ。

 

 ロシアを孤立させるということを欧米は目論んでいると
ロシアは主張しているが、実際は決別なので、孤立はしな
いだろうが取引もしないので、貿易は減少するし、交流も
無くなる。
 言わば、今の北朝鮮に近い状況になるのだろう。
 さらに、ロシアに与する相手とも取引はしないというこ
とになっていくと思うので、世界経済は全体的に縮小して
いくだろう。


 インドや中国などロシアから原油等を購入する国を否定
はしないが、元々ロシアのシェアは限られているので、全
体の一部が振り替わったところで、大勢に影響はない。
 むしろ需給全体から見れば、残っている方が価格的には
好ましい。
 短期的には、需給が混乱しているが、中長期的には調整
されて混乱が収束するというのが大方の見方だと思う。

 日本も、ロシアからの調達が無くなることを覚悟してお
く必要はあるが、依存度がそれほど高くないので、全体で
調整するのと、調達先を別に確保することで、ある程度乗
り切れるのではないだろうか。


 むしろ課題は、その後の輸出管理や経済安全保障的な考
え方の整理が重要になる。
 その中で一番は、中国との付き合い方だろう。
 中国とアメリカの関係がどうなるかでも変わってくるが、
中国への依存度を減らすという動きが、今後大きくなって
くるのではないだろうか。
 それはロシアのように決別ということを意味するもので
はないが、リスク分散という考えが大きくなってくること
を意味する。
 かつてのCOCOMやCHINCOMといったものが復活するかもし
れない。


 プーチン大統領は、ロシアが失うものは何もないと言っ
たようだが、現実に失っているのは戦場における若者の命
と世界での信用だと思う。
 ロシアはエネルギーなどの供給を脅しに使っているが、
供給を絶てば、その時から決別が始まっていくというのを
どこまで理解しているだろうか。
 
 うまく決別できればいいが、最後は逆恨みが待っている
ということにならないといいのだが。