ウクライナ危機に思う

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から、既に1か月
が経った。
 連日、テレビではウクライナでの惨状が伝えられ、見て
いて辛いという人が多い。
 評論家はいろいろなことを言うが、ロシアが始めた侵攻
である以上、これを止めることができるのはロシアしかな
く、大統領であるプーチンしかないと思う。
 そして彼の頭の中には、多くの人が犠牲になっても、戦
いに勝つということしかないように思える。
 多くの交渉は、彼が直接出て行っていない以上、無意味
としか思えないし、交渉の条件はウクライナの無条件降伏
に近いものしか出てこないのではないだろうか。


 この侵略というか戦争は、プーチンによるプーチンのた
めの戦争なのである。
 欧米の制裁が、若干の牽制にはなっても、決定的なもの
にはならないのは、彼が仕掛けた戦争を止めることは、自
身の失敗なり敗北を認めることになるので、おそらく最後
まで戦争をしようとするだろう。
 NATOは、直接介入すれば第三次世界大戦に突入する恐れ
があるので、ウクライナの支援に徹し、経済制裁で間接的
に攻めていくつもりだろうが、どこかでプーチンが破滅的
な行動に出る可能性も排除していないと思う。
 その時は、第三次世界大戦に突入する恐れがある。


  オリンピックとパラリンピックの期間中は休戦するよう
に国連決議があったにもかかわらず戦闘を止めないロシア
の姿勢は、世界と協調していこうという姿勢がなく、そう
いう前提があるにもかかわらず、何も言わない中国や政治
とスポーツは別と言っている人間は、ダブルスタンダード
を使った狡猾な者に見える。
 政治とスポーツは別という思想の違いを認めることは、
過去にもあったが、戦争とスポーツの両立は過去にもない。
 IOCが、ロシアやベラルーシを排除するのは当然と言える
のではないか。


 ウクライナをロシアが占領して傀儡政権を樹立したとし
ても、世界が認めるわけではなく、ウクライナ国内の反ロ
シア勢力が、かつてのパルチザンのように立ち上がること
で、ロシアの戦力や経済力を疲弊させるため、そうなると
ロシアは反政府勢力を支援するNATO諸国を攻撃する可能性
が高いと思う。
 そうなれば、やはり第三次世界大戦に突入して、今は傍
観している中国やインドも影響を免れないだろう。

 プーチンウクライナへの侵略を諦める可能性がない以
上、世界はこのまま第三次世界大戦に入っていく可能性が
高いような気もするが、大義なき戦争を続けている以上、
ロシア軍にも国民生活にも大きな被害が出れば、内部から
反乱が出る可能性もある。


 かつてのヒットラーのような存在に、プーチンがなって
しまっているのだが、多くのロシア国民は情報操作されて
気付いていない。
 客観的な情報を持つ者は、国外へ逃避するなり、政府に
協力しないという動きも出ているため、いずれ社会全体が
回っていかなくなる恐れもある。

 戦争に完全な勝者はなく、世界も傷つくがロシアも傷つ
くということを早く理解するべきだろうが、おそらく最終
局面を迎えるまでは、理解されないだろう。
 かつての日本が戦争に突き進み、終戦に至る悲劇を見れ
ばわかることだ。
 戦後75年、機能しない安全保障理事会を見れば、国際
連合の枠組みを見直すことが出来なかった結果が、ここに
ある。


 ロシアが日本を非友好国としたのは、ある意味これまで
の日本の外交スタンスを変え、日本としての主張を明確に
した結果だと思う。
 日本経済は大きな痛みを伴うかもしれないが、今起こっ
ている現実を無視すれば、明日は我が身になるかもしれな
い。
 そのためには、堂々と悪いことは悪いと主張し、耐える
ところは耐えるようにするしかないだろう。

 くたばれプーチン、さよならロシア、頑張れウクライナ