胃がん検診で思ったこと

 

 今週、胃がん検診で内視鏡検査を受診した。健保組合からの
補助があることもあって、毎年人間ドックを受けているのだが、去年
受診した時は内視鏡検査の予約が取れなかった。

 人間ドックのような定期健診に、どの程度の意義があるのかは
議論があるところだと思うが、職場健診を毎年受けていた延長で、
受けるのは当然かのように思っていた。
 但し、どのような検査項目をどのように受けるかは、職場健診の
場合、選択の余地がなく、これで受けてくださいという感じだった。
 健保組合からすれば、費用が高くなる検査は収支に影響する
ので、高額な検査はやらないということであったと思う。


 そういうことで、胃がん検診はバリウムを飲むX線検査をずっと続
けてきたのだが、X線検査では状態がよくわからないため、内視鏡
検査を受けるように勧められたのが数年前だったと思う。
 バリウムを飲んで診察台の上で動き回るよりは、内視鏡の方が
楽なのではと思って受けたのだが、内視鏡を飲み込むのが初めて
だったこともあり、相当苦しい思いをした。
 そこの内視鏡は管が太いこともあり、いくら喉に麻酔をかけても、
飲み込む時に違和感があり、嗚咽を繰り返して終わった。
 そのため、その後はバリウムによるX線検査に戻ったのだが、その
後ピロリ菌の除菌を勧められて、去年の初めに除菌をした。


 除菌の結果は特に問題なかったのだが、去年人間ドックを受け
た後に、医師からピロリ菌の除菌をした人は、内視鏡検査を受ける
ように告げられた。
 そんなことなら、人間ドックを受ける前に注意事項として教えて
もらいたかったし、内視鏡の予約も取れるようにしてくれよと言いたか
った。
 実のところ、内視鏡も考えたのだが、予約がずっと先まで埋まって
いたので、やむなくX線検査にしたということもある。ただ、当日健診
センターに行ったら、キャンセルでもあったのか、予約の空きが出ていた。
 後で医師からそんなことを言われることなど考えていなかったので、
変更はしなかったのだが、結局どこかで検査をすることになった。


 いつもなら、翌年の人間ドックまでスルーしてしまうのだが、たまたま
区から胃がん検診の案内が来ていて、そのメニューに内視鏡検査が
あることを見つけた。
 昔は、X線検査しかなかったと思うのだが、これを使えばタダで検査
ができるため、申し込むことにした。
 近くのクリニックに行ったのは1月だったが、予約が取れたのは3
月で、予算の関係からか来年度は内視鏡検査のメニューがなくなる
ようで、ギリギリセーフという状況だった。


 ということで、今週検査を受けたのだが、今回は検査を受けた
記憶がほとんどないような状態だった。
 喉の麻酔を受け、鎮静剤の注射を受けて処置台に横になり、
口にマウスピースを咥えたところまでは覚えているのだが、管を入れて
検査を受けたのは覚えていない。
 目が覚めたら検査は終わっていて、看護師さんから「もういいので、
起きて荷物を持って待合室に行ってください。」と言われ、若干フラフラ
しながら待合室で待っていると、保険証等を返され、結果は後日
医師会から通知されるということだった。
 今まで、内視鏡検査で苦しい思いをしたのは何だったのだろうか、
技術が進歩したのか、それとも薬の効果なのだろうか、これなら毎回
内視鏡検査でもいいかなと思った。


 人間ドックの結果には悪い数値があり、他にも別のクリニックで検査
を受けたりしたのだが、結果としては問題なしで経過観察になっている。
 検査は、単に医療機関を儲けさせているだけではないかという批判
もあるもしれないが、今回の内視鏡検査は、健診の意義より、安楽死
というのがあるとすれば、こういうことなのかという思いが浮かび、そういう
体験ができたというのが大きかった。
 コロナが落ち着いてきたというのもあるが、時と場合によっては、検査
も真面に受けられないかもしれないので、得られた機会は大事にしたい
ものだ。