恐れていたことが起きてしまった

1.非感染地域への感染拡大

 石垣島でのコロナウイルスの感染者が7名も発生したのを聞いて、

ああやっぱりなと思った。

 ヨーロッパ旅行へ行けない若者が、大勢、石垣島へ出かけている

というニュースを見て、大丈夫かなと思っていたのだが、やはり

感染者が発生してしまった。

 若者が悪いというのではなく、鳥取でもみられるように、感染者が

いないから、そこへ観光に行こうという気になるのは、不思議では

ないので、要は、受け入れる方が、どの程度のリスクに対する意識が

あるかという問題ではないかと思う。

 

 同じようなことは、別荘の多い軽井沢などでも起きているので、

政府が地方へ行かないようにと言っても、強制力はないので、止められ

ないだろう。一部の地域では、外部からの人間を受け入れないという

ところもあるようだが、強制力はないので、どこまでできるかは

わからない。

 

2.病院での集団感染

 病院での集団感染も、相次いで発生しているが、感染症に対する

防御を前提にした病棟の構造や職員の訓練をしているところは、

少ないので、やむを得ない面もあるが、発熱外来の設置や入院患者

への検査といった措置も、もっと早く対応した方がよかったと思う。

 

 現在のような状況では、入院患者のいる病院や老人介護施設などの

集団感染は、重点的に守るべき場所で、そうでないと医療資源が

早期に枯渇してしまい、医療崩壊につながりかねない。

 

3.ゾーニングとスクリーニング

 感染場所と非感染場所を分けて、移動の制限や消毒・検疫などを

強化していくのが、基本的な考え方で、これをしていかないと、全てが

感染場所になってしまい、歯止めがかからなくなってしまう。

 

 外出禁止で、8割の移動を制限しても、残り2割で拡大してしまっては

意味がない。入院患者は移動しないし、多くの観光地も地元の人は

感染地域である大都市へはいかない人が多いので、そこを移動する

人間が感染を拡大させていることになる。

 

 政府は、経済を優先して考えているところがあるようだが、それなら

感染が拡大しないような手段を導入したうえで、自粛要請をしないと

おそらく感染拡大は止まらないだろう。

 

4.行動を管理する

 ゾーンの管理者は、その中に入ってくる人間が、どのような行動を

とっているかを監視できれば理想的で、中国は、政府がQRコードを

入れたスマホで監視しているようだが、日本ではそこまでやるのは

難しいかもしれない。

 今できるとすれば、不特定多数の人が利用する場所は制限・管理し、

特定された人間が利用する場所は、その場所の管理者が責任をもって

管理すること位しかできないのではないか。

 

 不特定多数が利用する場所は、3密が発生しないように、社会的距離

が確保できるようにすべきだが、感染者の把握が難しいので、できるだけ

少なくすることが望ましい。

 特定された人間が利用する場所は、3密の回避を含めて、利用する

人間と一体となって、感染を防御していくしかないと思う。

 

 ただ、どこまでやっても、リスクはゼロにならないので、あとは発生した場合

のリスクを最小限に抑えることができるかどうかになると思う。

 次回は、リスク管理的な観点で整理してみたい。