緊急事態宣言の延長が出て思うこと

 緊急事態宣言の延長に合わせて、専門家会議から、
新しい生活様式が示された。

 

 中身を見ると、これが新しい生活様式と言える
ようなものかは別として、感染予防を意識した
行動様式であることは確かだ。
 ただ、緊急事態宣言を解除して、この生活様式
行動してくださいと言っても、ほとんどの人は、
完璧にすることは難しいので、自分のやりやすい
部分のみを行い、全体としては整合性のないもの
になってしまう懸念がある。

 そうなると、重点的に実行するべきことをもっと
絞り込んでいく必要がある。


 そもそもになるが、新しい生活様式を求めるのは
何のためなのかということをもっと強調しないと
絞り込みもできないだろう。

 自粛要請もそうだが、自粛する人は多いが、自粛
しない人もいて、それを問題視するマスコミがいるが
元々強制力がないのだから、そういう事があっても
仕方がないし、それによって大きな問題が生ずるので
なければ、感情的には許せなくても、無視するしか
ないのではないか。
 それよりは、本質的なことに話題を絞っていかない
と、選択を誤ると思う。

 

 どういう事かと言えば、現状認識があって、それを
踏まえた全体の戦略があり、それを受けた個別の
戦術なり、支援策などがあって、目標となる時期と
目標値が示されているかどうかだ。
 緊急事態宣言が出る前も、出てからも、個別の
対策的な戦術や支援策は示されているが、全体としの
戦略がないから、いつまで経ってもPCR検査の
検査数も増えないし、いつまでこの状況が続くのか
という不安感や焦燥感が増すばかりではないのか。

 

 それがないのに、出口戦略という言葉を聞くと、
出口だけの戦略なんてあるのかと思ってしまう。
いつもそうだが、明確な定義もせずに、言葉だけが
一人歩きしてしまい、曖昧なままに何となく進んで
いくということの繰り返しは、何とかならないもの
だろうか。


 例えば、医療崩壊というのは、医療を受けられる
べき人が受けられずに死亡してしまう状態が、続いて
発生しているならば、そう考えていいのではないかと
思うのだが、そして、そういった医療崩壊を招かない
ように対策を取るべきだと思う。

 逆に、医療崩壊の危険性が少ないのであれば、強力な
制限措置を取る必要もなく、自粛要請程度で、従わない
人が出ても十分ではないかと思うし、危険性が高いので
あれば、時々刻々状況を市民に訴えていくような努力
が求められると思う。