不特定多数から特定少数の世界へ

 新しい生活様式を政府は推奨しているが、確かにウイルスの
感染拡大予防にはいいかもしれないが、イベントがなくなって
経済的に厳しい人や対面販売、居酒屋などの濃厚接触がベース
になっている商売にとっては、何の足しにもならないだろう。

 確かに感染拡大を抑えなければ、経済どころではないのは
わかるが、本当に苦しい人のことを考えてやっているのか
疑問だ。

 

 海外でも、規制緩和に向けて思考錯誤が続いているようで、
基準は感染度合いによっても、それぞれの国の考え方によっても
違いがあるが、経済優先で緩和した途端に、また感染拡大が
復活してしまうということで、かなりジレンマを感じている
ように見える。

 

 結局のところ、ワクチンや効果的な治療薬が大量に供給される
までは、この繰り返しになるかもしれないが、それまで経済が
持つかどうか危惧されるところである。

 

 私自身は、ゾーニングとスクリーニングしか当面の対策に
なりえないと考えているし、結局はリスクを考えてどこまでやるか
しかないので、過度に抑制してもいけないし、さりとて野放図でも
いけないと思っている。

 

 業界ごとのガイドラインを作ったとしても、それに従うかは
各社、各人の自由なので、個別にリスクを勘案して、集団感染を
起こさない、かつ、感染範囲が特定できるレベルであれば、
それほど厳格に考えなくてもいいのではないかと思っている。

 こういう事を言うと、専門家の人などから何もわかってないと
言われそうだが、どこまでやっても正解がないのが、このウイルス
への対策なので、医療崩壊を招かないレベルなら、多少割り切った
方がいいと思う。

 こういった状況で有効なのは、不特定多数の顧客を相手にした
商売から、特定少数の顧客を相手にした商売に転換していくこと
だと思う。

 状況によっては、特定多数の顧客を相手にしてもいいと思うが
集団感染を招かないようにしないと韓国のようになってしまう。

 

 特定の顧客を相手にするということは、相手との信頼関係の上に
成り立っているため、最善を尽くしたうえであれば、感染者が発生
したとしても、経営を継続していけるのでないか。
 逆に、経営者もリスクが大きいと考えれば、相手への影響を考え
内容を制限するなり注意喚起や制約を付けることも仕方ないと思う
だろう。それを理解してくれる顧客だけを相手にするということに
なる。

 店舗でも劇場でも、その場所の管理者が、感染を予防できると
考え、また、顧客もそれに従った行動を取っているのであれば、
割り切っていくべきであろう。

 パチンコ店の営業が、かなり問題になっていたが、店の消毒や
台の間隔を空けて、接触を少なくする、マスクを着用させるなど
の対策は取っているようなので、それでもリスクが高いというので
あれば、入店者全員に抗原検査でも義務付けるしかないのでは
ないか。

 不要不急とか、ギャンブルといった観点で批判し、自分が自粛
しているのにという不満を持つ人が出てくるのは仕方ないが。

 

 検査を義務づけるというのは、極端だが、ある程度ゾーニング
ができてくれば、そこまでしなくても大丈夫だと思う。感染リスク
の高い人が立ち寄る場所とそうでない人が立ち寄る場所とかいった
区分も、最終的には、特定少数の人の行動属性から決めていける
のではないかというのが私の考えで、リスクの高い人には、検査を
義務付けていけばいいが、そうでなければ、チェックリストでの
確認程度で十分ではないだろうか。

 

 今のままでは、経済活動へのダメージが大きくなり過ぎるのでは
ないかと心配している。