どこまで続く迷走状態

 新型コロナウイルスに関する感染症対策分科会から、ステージ1から
4の6指標が出されたが、各指標にウエイトがあるわけではなく、結論
としては、各自治体で総合的に判断するということになっているようだ。

 結局のところ、全国的な指標を作って、横並びで比較したいという
希望がある人や、やっている感を出したい人がいるのだと思う。

 

 確かに、ステージ3における取組は提示されているが、あくまで分科会
としての提言であり、政策として実行されるかどうかは明確でない。
お盆の帰省を巡って、一律に自粛を要請するものではないと政府は言い、
東京都は帰省を含めて不要不急の外出は控えるように言っているため、
人によっては戸惑いが隠せないと思う。

 結論としては、自己責任で行動してくだされば結構です。と政府が言い
感染拡大をどのように抑制していくかという方針は、示されないままで、
一方、自治体は医療態勢がひっ迫してきている自治体を中心に、帰省等は
控えてもらいたいというところと、帰省を望む人もいるのだから、そこは
自由にしてもいいのではないかというところに分かれている。

 

 元々強制力を持つ組織はどこにもないので、個人も企業も自主的な判断
で行動すればいいのだから、必要なのはそれぞれが行動するための判断
となる指標なり、条件を提示すればいいだけなのだが、分科会にしても
自治体にしても、そういったものが提示されているようには見えない。
 3密を避けましょうとか、マスクを着用しましょうと言ってみても、感染
が拡大している状況を踏まえると、実効的な対策になっているとは思えない
ので、帰省を含めて人が移動し、接触する機会が増えれば増えるほど、
感染が拡大する確率は高くなるとしか思えない。

 

 結局のところ、有効的な対策が示されないまま、帰省シーズンに突入して
一定期間が経過後、感染が増加した結果を見て、どうしたものかということ
にならなければいいのだが。

 経済活動を止めたくないし、観光等に依存して打撃を受けているところが
あるのも理解しているのだが、両立をさせるにはどのようなプロセスが必要
かという議論がされているようには見えないので、いや、してはいてもいい
知恵がないのかもしれないが、そこをクリアにしないと迷走状態が続いて
いくと思われる。

 

 今必要なのは、広くから意見を集めて、最適と思われる方法を構築する
ことではないだろうか。