新型コロナウイルス感染症対策分科会の資料を見て思ったのだが、
現在の状況についての分析はあるが、その原因は書かれていない。
さらに、最新の分科会では、現状についての分析も省略されて、今後
想定される感染状況と対策についての資料になっている。
この分科会の資料を作成しているのは、内閣官房の感染症対策室
だと思われるが、例によって自分たちに都合の悪い事実は、表に出さず
(隠蔽とまでは言わないが)会議での結論を誘導するような資料を
作成して、分科会でのお墨付きをもらうようなことにしているように
見える。
ステージの1から4までの指標を作っても、最終的な判断は各県に
任せることで、自分たちの責任は回避されるが、全体をどのように
リードしていくのかという方向性が見えない。
一般的に、感染が拡大しているのであれば、その原因が何で、それに
対する対策をどのようにしていくのかということが述べられなければ
ならない筈で、原因を明確にしないで、想定と対策を出していくという
のは、理論に飛躍がある。こういったことを専門家が認めて、それで
対策を取っているかのようにしていくようでは、実効性ある対策に
なるとは思えない。
基本的に、現在の感染拡大の大きな原因は、政府が根拠なく緩和を
進めてきた結果、個人も企業も感染に気を使わなくなったことにある。
飲食店を含めて、自粛したことにより、経営的なダメージを受けた
企業は、政府が緩和措置を取ることにより、一息ついたと思うが、
3密の回避とかマスクの着用とかいっても、強制力があるわけではない
ので、多くが緩めば右に倣えになる。
当初は、夜の街関連といっていたが、広範に感染拡大してくると、
そんなことを言っている状況にはなく、それならどのようにすれば
効果的な対策が打てるのか、経済活動との両立を言うのであれば、
どのような対策を打つべきなのか、分科会の資料からは見えてこない。
それは、ある意味当然で、資料は会議の中で知恵を出し合って作成
されたものではなく、現状分析、原因分析の結果を経て作成された
ものでもないからだ。
今後の結果は各県ごとの努力の成果になるが、その前に医療態勢が
崩壊しないかと心配になる。