住めば都かな?

今週のお題「住みたい場所」

 

 今の家に住んでから20年が過ぎてしまった。それまでは、
社宅を転々としていたのだが、そろそろ追い出されるのでは
ないかということで、家探しを始めた。
 それ以前も、親の介護のために、地方から東京へ戻って来
たのだが、宮仕えなので、社宅に入った後も単身赴任をした
りして、自分の住みたい場所というよりは、周囲の事情で住
む場所を選んできたのだったが、結局、家探しも実家に近く、
予算が許す範囲ということで、今の家に落ち着いた。


 住みたい場所というよりは、親の介護や子供の通学などを
勘案して住む家を決めるというのは、よくあるパターンでは
ないだろうか。
 何のしがらみもなく、予算も気にすることなく住む場所を
選べるならば、都会からやや離れて自然が豊かな場所に住ん
でみたい。
 最近はテレワークにより、郊外や遠隔地で居住する人が増
えているというが、転勤で地方暮らしを経験すると、ある程
度の収入ある仕事さえあれば、地方の方が豊かな暮らしがで
きるのではないかと思った。
 もっとも、妻はネオンが見えるところでないと嫌だと言う
都会派なので、そうなると別居生活か週末だけのセカンドハ
ウスでも持たないと難しいかもしれない。


 地方には地方のいいところがあり、都会には都会のいいと
ころがあるので、そこは個人の考え方やライフスタイルで選
択をすればいいのではないかと思う。
 実際に、ゴルフが好きなので、ゴルフ場の近くに家を構え
た人もいるし、健康上の理由で水や空気がいい場所へ住んで
いる人もいる。
 郊外に住めば、土地も広く緑豊かではあるが、通勤は負担
だし、美術館や博物館、コンサートホールなどは都会に集中
しているので、出かけるにしても一仕事という感じになって
しまう。


 今住んでいるところは、予算の都合もあり、狭い家なのだ
が、交通の便はよく、徒歩12、3分の駅から地下鉄で都心
に出ることが可能だし、相互乗り入れで神奈川や埼玉方面へ
も出られるし、疲れた時は乗換駅からバスで家のすぐ近くま
で帰れるというメリットもある。
 住まいというのは、同じような住所にあっても、陽当たり
や間取りなど一軒一軒違いがあり、なかなか理想的な物件と
いうのはないように思える。

 予算がいくらあっても、賃貸や売りにでる物件は限られる
ので、自分が欲しいというタイミングの時に、そういったも
のがあるとは限らない。
 そういう意味では、住みたい場所はあっても、実際は何か
しら妥協が入ってくることが多いので、あとは自分自身の納
得感さえあれば、住めば都という感じになるのではないだろ
うか。