COVID-19へのシステム対応

 

 緊急事態宣言が1都3県に出されて、感染拡大を抑止しようと
いう取り組みがなされているのだが、相変わらずのお願いベース
で、夜8時以降の外出だとか、飲食店の時短営業とか打ち出され
てはいるものの、システム的な話はどこにもない。

 政府としてデジタル庁を創設して、デジタル化に取り組むという
ことを打ち出しているにもかかわらず、新型コロナウイルスへの
システム対応は、あまり話題になっていない。
 こういうところが、システムに対するセンスのなさではないか
と思ってしまう。


 飲食店への時短要請が、どの程度効果があるかもわからない中
で、米国の調査のサービスのあるレストランの感染率が高いという
報告を受けて、飲食店への時間対応を打ち出しているのではないか。
 しかしながら、報告書では、対応として営業時間の短縮より収容
人数を2割程度にする方が効果あるという。
 つまり、個別の飲食店を評価した対応がいいと思われるのだが、
手間がかかるため、選択肢から除かれているように見える。


 飲食店の対応レベルは、システムから申告させると共に、申告
した飲食店には、利用者情報を管理するシステムを設置させ、利用
者に利用登録を義務付けるようにすれば、大して手間がかかると
思えない。
 何故なら、QRコードによる決済システムと基盤は共通している
からだ。

 利用者のソフト導入と利用義務には、法整備もいるかもしれない
が、こういった仕組みを入れることで、データに基づく管理や対策
が取れると思うのだが、そういった発想が弱い。
 大阪府では、似たようなシステムを作っているようだが、義務化
していないので、どうも利用が少ないようだ。


 鳴り物入りで登場したCOCOAは、2000万ダウンロードあるようだが、
人によっては7割位の人が入れないと効果ないという。
 私は、誰がこのようなシステムを作って、どのような効果を狙った
のか疑問があるので、自分のスマホには入れていないが、政府として
積極的に推奨しているようにみえないだけでなく、入れている人から
の評価も高くないようにみえる。


 いくら自粛要請をしても、人の行動変容は簡単にはできない。
むしろ管理対象とする場所には、システムアクセスをしないと入れ
ないようにするといった、アクティブな対策をする方が効果的な筈
なので、発想を転換した方がいいと思う。
 
 専門家に限らず、やりたくない人は、理由を山ほど考えるが、どう
したらできるかということを考えようとしない。
 経済の維持と感染拡大の抑制の二兎を追うのであれば、どうしたら
できるのかを考えることが求められている。
 いたずらに規制するのでなく、どう管理したらコントロールできる
のかを考えることが必要だと思う。