サボり人の言い訳

今週のお題「サボる」

 

 今週のお題を見て、これは私に懺悔をしろという事かなとも
思った。
 今でもそうだが、年中サボっている私にしてみれば、サボら
ない人は立派な人に見える一方で、仕事や勉強に対するモチベ
ーションが高いか、永年の習慣もあり、サボりは悪であるとい
う意識が染みついている人にも見える。


 私はサボっている時が多いにしても、集中して仕事をする時
もあるのだが、あまり長続きしない。あれこれとすればいいの
は分かっているのだが、どうも気乗りがしないのは、一体どう
したものだろう。
 新入学の頃とか、入社したての頃とか、新しい環境に臨む時
には、意欲をもっているため、サボるということはないのだが、
次第に環境に慣れて、また、自分の能力や周囲の実力が見えて
くると、適当にやっておこうかという気も出てくる。
 言い換えると、明確な目標や成果が出ないと、気分的にサボ
りたくなってくる性格なのかもしれない。


 仕事や勉強で、半ば強制的にやらされている感があるから、
サボろうという気になるので、目標とプロセスが明示されて、
それに対するタスクが明確になっていれば、ある程度はやると
思うのだが、それでも外部からの誘惑や体力の限界のようなも
のもあったりして、一度挫折すると、モチベーションを再度引
き上げるのには苦労することも多い。
 そういった時に、誰か一言でもアドバイスなり元気づけてく
れるだけで、助かることがある。
 それが誰かは人によって違うと思うが、友人だったり、上司
だったり、先生だったり、親兄弟だったりする。いずれにして
も温かく見守ってもらえる人なら誰でもいい。


 サボっているかどうかは、本人が一番分かっているつもりで
も、評価は外部からされることが多いので、サボっているかは
判然としないこともある。
 私自身は、労力をかけないで成果物を作るのがいいと思って
いるので、あまり苦労しないでやり終えてしまうと、サボって
いるのではないかと思われることもあった。
 一方で、早く終えてしまうと別の仕事が回ってくることもあ
る。手が空いているのなら、手伝えということなので、そこは
異論はないのだが、ひどくなるとあいつは仕事が遅いので、お
前がやれということになる。
 こうなるとサボるどころの話でなく、残業しても追いつかな
くなったりして、最後は、モチベーションが下がって、異動を
願い出るようなことになる。


 政府のコロナ対策を見ていると、担当部署の人間が過酷な残
業を強いられて、異動を希望する人が多いというのは、上に立
つ人間の能力なり、資質の問題があるという感じが強い。
 担当部署の人間は必死に作業していても、全体として効果的
な対策が取れてないと、言い訳ばかりで、役所も国会もサボっ
ているのではないかという感じがしてくる。
 本当は、サボっているように見えて全体を見ている人が必要
で、そういう人のアドバイスをもらってリーダーシップのある
人が実務をこなしていくというのが、望ましい姿なのではない
だろうか。
 専門家の人は真面目でサボらないから、専門分野は見ていて
も全体を見ることはしないだろう。

 その結果、現実は後追いの場当たり対応ばかりで、ワクチン
接種が決め手というのであれば、いつまでに誰に接種をした結
果、感染や入院の状況がこうなるというのを示し、その期間に
対応した対策が示される必要があると思う。
 短期と中長期の見通しを踏まえた対策が示されれば、説得力
があって、誰もサボっているとは思わないだろう。


 話はそれてしまったが、今サボっている人が役に立たないと
いうことではなく、生かす人がいれば、如何様にもなるのでは
ないかと思っている。
 少子高齢化の社会では、サボっているようにみえる人を効果
的に使う知恵が求められていくと思う。
 私を含め、今サボっている人は、次の出番に備えていきまし
ょう。