おとなになるって何なのだろう?

今週のお題「おとなになったら」

 

 子供の時は、早くおとなになって好きなことをしたいと思っていた。
正月には、ポートワインを飲ませてもらい酔っ払い、お酒とはこんな
ものかと感じたりはしたが、おとなを意識したわけではない。
 中学生になると、電車やバスで料金だけ大人料金になったが、
それでおとなになったと感じたわけではない。
 生物的には、射精が始まり、おとなになる準備ができてはいても
精神的にはそれがどのような意味を持つか考えていなかった。
 高校生になると、親に隠れて酒やタバコをやってみたものの、これ
でおとなになったと感じたわけではない。

 大学生になったら、より自由になった。本来は二十歳からのはず
だが、コンパで酒を飲むのは普通だし、アルバイトで収入を得ること
で、社会と接すると共に、経済面でも楽になったが、それでおとなに
なったというよりは、モラトリアムを楽しんでいたような風もある。
 おとなというよりは、おとなとこどもの中間の「こどな」という感じが
高校生の時から続いていた。

 就職して社会人になったら、十分おとなと言えるのだが、暫くは
生活をするのがやっとで、経済的には自立したものの、精神的には
自立したおとなになった感じではなかった。
 何年かして、仕事にも自信がつき、これから先、組織の中で生き
ていけると感じた時が「おとな」になったということなのだろうか。

 さらに、結婚して子供ができるということで、始めて生物的な意味
でのおとなを感じると共に、子供を育てる責任と成長の楽しみを感じ
るようになった。
 人生をどのように生きるかは、人それぞれなので、結婚をしようが
しまいがどうでもいいのだが、経済的な自立と精神的な自立をする
ことがおとなの必要条件な気がする。

 格差社会ではあるが、「おとな」になるのであれば、経済的な自立
と精神的な自立が可能な社会であって欲しいし、それに加えて僅か
でも夢と楽しみが味わえるゆとりが欲しいものだと思う。