感染拡大阻止に向けて

1.現状

 ・現在の自粛要請と感染者追跡による対応では、感染拡大は止まらないと
       思われる。
  感染経路不明が拡大しているので、感染爆発の可能性もある。
  また、その前に医療崩壊する懸念の方が強い。

 

 ・緊急事態宣言は、心理的な効果はあるが、強制力はないので、
  具体的な行動禁止措置や遵守事項を明示し、ゾーニングを徹底して
  いかないと感染拡大の抑制はできないと思う。

 

 ・少なくとも、8割の移動を抑えるためには、公共交通機関を止める位
  しないと難しいし、実際にどの程度の状況かは、JRが駅の改札データ
  を公表すれば、簡単にわかるだろう。

 

2.何をなすべきか

 ・ステージが変わって感染拡大が止まらないと判断されるので、
  まずは、大規模感染の阻止と医療崩壊を招かないように病院などの
  中核施設での感染阻止に注力する必要がある。そのため、要員の
  検査も必要に応じてできるよう、検査能力の拡大をする。

 ・医療機関で必要とされるマスク、消毒薬、防護服などの配給シス
  テムを構築する。(医療機関が、必要数量と希望時期をデータ
  ベースに入力すればそれに合わせた生産・配給計画を作る)

 ・個人の行動としては、従来からの外出自粛、手洗い、マスク着用
  に加えて社会的距離を取ることを奨励する。

 ・感染地域を拡大させないように、感染地域から非感染地域への
  移動を自粛すると共に、移動した場合は自主隔離を求める。

 ・感染者を早期に発見するため、検査を拡充する。例えば、地域、
  年代を絞ったサンプリング検査や医師が依頼する者は無条件に
  検査するようにする。

 ・感染抑止への納得感を得るため、感染が疑われる場所を具体的に
  公表したり、感染した場合に発生する医療コストを提示する。

   ・これが一番大事かもしれないが、何のためにやっているのかという
  ことを明確にして、その達成度合を随時公開していく。

 ・地域、場所の感染リスクを分析して、行動規制をどこまでする
  べきかモニタリングする。

 

3.経済と感染拡大阻止の二兎を追えるか

 ・現状は、強制力がないし、具体的にどこまでやれるかが不明な
  まま、人々の行動自粛に期待するだけなので、感染拡大を止める
  ことは難しい。

 ・また、イベント中止や行動自粛により、サービス業は大きな打撃
  を受けており、生活への不安がますます拡大している。

 ・この際、生活不安がある労働者・事業者には、ベーシックイン
  カムを短期的に適用し、商店などで営業継続が難しい事業者には、
  3か月毎に、前年申告売り上げの8割程度の金融支援を無条件に
  付けることにする必要があるのではないか。

 ・今、必要なことは、いかに早く対応するかで、5月末では遅すぎる。

 

 ・感染拡大の阻止に目途がつかない限り、経済対策をいくらやっても
  意味がないので、当面ここに注力するしかないが、スウエーデンの
  ように、一定程度の感染リスクを許容しても、医療崩壊しないと
  いう目途がつくのであれば、一定の予防策で営業を続けるという
  割り切りもあるかもしれない。その場合でも、感染爆発などが起これ
  ば見直しをせざる得ない。